高配当株は5銘柄から始めれば十分です。しかも銘柄を先に選ぶのではなく、 業種を5つ決めてから、そこに1社ずつ入れていくのが失敗しない順番です。
1株から買えるサービスを使えば、5銘柄そろえるのに必要なのは合計で数千円から2万円程度。 まとまった資金を用意してから始める必要はありません。 この記事では、口座を開くところから最初の5銘柄を買い終えるまでを、5つのステップで通して説明します。
- 高配当株は何銘柄から始めればいいか(結論:まず5銘柄)
- 最初の5銘柄を「業種から先に決める」選び方
- 口座開設から1株目を買うまでの5ステップ
- 買ったあとにやること・やらなくていいこと
- 最初にやりがちな3つの失敗
高配当株は何銘柄から始めればいいか
最終的に目指すのは8〜15銘柄です。ただしそれは到達点であって、出発点ではありません。 最初から15社を選ぼうとすると、比較に時間がかかって結局1株も買えないまま終わります。
まず5銘柄を持ち、配当が実際に振り込まれる感覚をつかんでから増やしていくほうが続きます。
| 保有銘柄数 | 特徴 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 1〜3銘柄 | 1社の減配で受け取る配当が大きく減る | × 分散になっていない |
| 5銘柄 | 1社が減配しても影響は5分の1に収まる | ◎ ここから始める |
| 8〜15銘柄 | 分散が効き、管理もまだ手に負える | ◎ 目指す到達点 |
| 20銘柄以上 | 1社あたりの金額が小さく、確認も追いつかない | △ 慣れてから |
なぜ5銘柄かというと、1社が減配したときの痛みが「耐えられる大きさ」に収まるのが5社だからです。 1銘柄に集中していると、その会社が配当を半分に減らした瞬間、受け取る配当も半分になります。 5銘柄なら、同じことが起きても全体では1割の減少で済みます。
最初の5銘柄は「業種を先に決めて」から選ぶ
銘柄から選び始めると、ほぼ確実に業種が偏ります。 利回りの高い順に並べると銀行・商社・通信が上位を占めるため、 「良さそうな順に5社」を選んだ結果、銀行株が3社入るといったことが起きます。
これを防ぐ方法は単純で、先に業種の枠を5つ作り、あとから1社ずつ埋めることです。 枠が埋まっている業種の会社は、どれだけ利回りが高くても今回は見送ります。
ステップA:業種を5つ決める
迷ったら次の5つから始めてください。値動きの理由が互いに違うため、同時に下がりにくい組み合わせです。
| 業種 | 配当が安定しやすい理由 |
|---|---|
| 通信・インフラ | 景気に関係なく毎月の利用料が入る |
| 金融(銀行・保険) | 金利が上がると収益が伸びる |
| 総合商社 | 資源価格が上がると収益が伸びる(金融とは別の理由で動く) |
| 食品・生活必需品 | 不況でも消費が落ちにくい |
| 住宅・不動産 | 金利や住宅需要で動く |
「1業種は全体の25%以内、最低4業種」が目安です。 偏りの見つけ方と、足りない業種の埋め方は 高配当株のセクター分散入門で詳しく説明しています。
ステップB:各業種から1社ずつ埋める
枠が決まったら、業種ごとに条件で絞って1社を選びます。 使う条件は「配当利回り3.5%以上・自己資本比率40%以上」の2つで十分です。 証券会社の無料機能で絞り込めます(高配当株の探し方に手順があります)。
候補が複数出たら、過去5年の配当が減っていないほうを選んでください。 利回りの高さで選ぶと、株価が下がった結果として高く見えているだけの会社をつかみやすくなります。
口座開設から1株目を買うまでの5ステップ
- ステップ1:証券口座を開く(1〜3営業日)
- ステップ2:NISA口座を同時に申し込む
- ステップ3:業種を5つ決めて、条件で候補を出す
- ステップ4:1株ずつ買う
- ステップ5:配当金の受け取り方を確認する
ステップ1:証券口座を開く
口座開設も維持も無料です。審査に1〜3営業日かかるので、始めようと思った日に申し込んでおくと、 気持ちが冷めないうちに1株目を買えます。手順は SBI証券の口座開設ガイドと 楽天証券の口座開設ガイドにまとめています。
ステップ2:NISA口座を同時に申し込む
NISA口座で受け取った配当には税金がかかりません。通常は20.315%が引かれるため、 年4万円の配当なら約8,000円の差になります。口座開設と同時に申し込めば手間は増えません。
⚠️ NISA口座は1人1口座だけです。他の証券会社ですでに持っている場合は金融機関変更の手続きが必要で、 その年に一度でも買付をしていると変更は翌年からになります。
ステップ3:業種を5つ決めて、条件で候補を出す
前の章の手順そのままです。ここで5社の候補リストを紙かメモアプリに書き出してください。 画面上で眺めるだけだと、買うときに利回りの高い順に戻ってしまいます。
ステップ4:1株ずつ買う
単元未満株を使えば1株から買えます。株価3,000円の会社なら3,000円です。 5社そろえても1万5,000円ほどで、いきなり100株(30万円)を用意する必要はありません (1株から始める高配当株投資で詳しく説明しています)。
注文方法で迷ったら、まずは成行注文で構いません。指値と成行の違いは 株の注文方法にまとめています。
ステップ5:配当金の受け取り方を確認する
ここが最後で、しかも見落とされやすい設定です。 配当金の受取方式が「株式数比例配分方式」になっていないと、 NISA口座で買っていても配当に20.315%課税されます。 しかも一度課税された配当は、あとから非課税に戻せません。
設定の確認は5分で終わります。手順は 株式数比例配分方式のデメリットと確認手順にあります。
いくら必要かは、あとから考えればいい
月3万円の配当を受け取るには、利回り4%なら900万円の元本が必要です。 この数字を先に見てしまうと、多くの人がここで止まります。
ですが900万円はゴールの金額であって、始めるのに要る金額ではありません。 月5万円を年利4%で積み立てた場合、900万円に届くのは12年目です。 その12年の間、配当は毎年受け取り続けられます。
必要な元本 = 年間で欲しい配当額 ÷ 平均利回り
- 年36万円(月3万円)を利回り4%で = 900万円
- 年12万円(月1万円)を利回り4%で = 300万円
- 年3.6万円(月3,000円)を利回り4%で = 90万円
最初の目標は月3,000円で十分です。90万円なら現実味があります。 必要資金の詳しい早見表と10銘柄の構成例は 月3万円の配当をつくるモデルポートフォリオにあります。
買ったあとにやること・やらなくていいこと
買ってからの過ごし方で、続くかどうかが決まります。
| 内容 | 頻度 | |
|---|---|---|
| やること | 決算発表で配当予想が変わっていないか見る | 年2回(本決算・中間) |
| やること | 業種の偏りが出ていないか確認する | 銘柄を増やすとき |
| やること | 受け取った配当額を記録する | 配当が入ったとき |
| やらなくていい | 毎日の株価チェック | — |
| やらなくていい | 含み損が出たときの売却判断 | — |
高配当株で見るべきは株価ではなく配当が続いているかです。 株価が2割下がっても配当が変わらなければ、受け取る金額は1円も減っていません。 むしろ買い増すなら安いほうが有利です。
売却を考えるのは、株価が下がったときではなく減配が発表されたときや、 その会社を持っている理由が崩れたときです。判断の基準は 高配当株の売り時にまとめています。
最初にやりがちな3つの失敗
利回り8%の会社は「配当が多い」のではなく「株価が下がった」結果そう見えていることがあります。 買った翌年に減配されると、配当も株価も同時に失います。利回りは最後に見る指標です。
銘柄から選ぶと銀行が3社入ります。5銘柄あっても、金利が下がれば5社が同時に下がるなら 分散にはなっていません。だから業種を先に決めます。
比率を何%にするか、どの会社が最適かを考え続けて、1年経っても1株も買っていない。 これが一番もったいない失敗です。1株なら数千円で、あとから何度でも直せます。
コアラ先生のポートフォリオ公開
参考までに、現在の構成(業種別の比率)を載せておきます。 最初は3銘柄から始めて、今は12銘柄です。 ※具体的な銘柄名は、投資の推奨を避けるため伏せています。
| 業種 | 比率 | 持っている理由 |
|---|---|---|
| 通信インフラ系 | 28% | 配当が安定していて、値動きも穏やか |
| 金融(銀行・保険) | 22% | 景気に敏感だが利回りが高い |
| 総合商社 | 18% | 資源価格の恩恵と増配傾向 |
| J-REIT | 15% | 不動産収益を年4回受け取れる |
| 食品・生活必需品 | 10% | 不況に強い |
| その他(製造・医薬) | 7% | 分散のための追加 |
通信インフラが28%で、目安の25%をわずかに超えています。 買い増すときは他の業種から選ぶようにしている、という状態です。 比率は参考程度にしてください。
私が最初に買った高配当株は3銘柄でした。今ではじっくり12銘柄まで増えました。 最初の配当は数百円で、正直「これだけか」と思いました。 それでも、自分が働かずに入ってきた最初のお金です。あの数百円がなければ続いていません。 完璧な構成を作ろうとせず、まず1株から始めてください。
まとめ
高配当株のポートフォリオは、次の順番で作れば失敗しません。
- 業種を5つ決める——銘柄から選ぶと必ず偏ります
- 各業種から1社ずつ、条件で絞って選ぶ——利回りは最後に見ます
- 1株ずつ買う——5銘柄そろえても1万5,000円ほどです
- 配当金の受け取り方を確認する——設定を忘れると非課税になりません
- 増やすのはそのあと——8〜15銘柄は到達点であって出発点ではありません
必要な元本の900万円はゴールの数字です。月3,000円の配当なら90万円から始まります。 まず口座を開いて、1株買ってみてください。
毎週土曜の朝、
利回り5%以上の銘柄リストが届きます
当ブログで解説している銘柄のうち、配当利回り5%以上のものを毎週まとめてお届けします。株価は金曜終値、配当は実際に支払われた実績ベース。計算の前提もすべて明記しているので、ご自身で確かめられます。
LINEで受け取る(無料)メールアドレスの入力は不要です。
いつでもブロックできます。
特定の銘柄の購入を勧めるものではありません。
【免責事項】本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄・金融商品への投資を推奨するものではありません。分散投資はリスクを軽減する手法ですが、損失を完全に防ぐものではなく、株価変動・減配・元本割れのリスクがあります。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。当ブログは投資助言業者ではありません。
