2026年7月30日から8月にかけての為替介入で、1ドル163円台から155円台まで円高が進みました。 オルカン(オール・カントリー)やS&P500の投資信託を積立している方の中には、評価額がマイナスに転じた方もいるはずです。 ここで売ってはいけません。積立は今まで通り続けてください。理由は3つあります。
- 2026年8月の為替介入で何が起きたか(事実関係)
- 米国株が下がっていなくても評価額がマイナスになる理由
- 円高の月は同じ金額で多く買えているという計算
- 相場の動きが積立を止める理由にならない理由
2026年8月、為替介入で何が起きたか
7月30日、日本は単独で円買い・ドル売りの為替介入に踏み切りました。 市場推計で最大8兆4,500億円規模、単日の介入としては過去最大です。
翌31日には米財務省も円買いに動き、日米が協調して為替介入を行いました。 円買い方向での日米協調介入は1998年6月以来、28年ぶりです。
この結果、介入前に163.65円付近だったドル円は、8月3日には155円台前半まで下落しました。 わずか数日で約8円、率にして5%超の円高です (日本経済新聞、 みんかぶの報道による)。
なぜ米国株が下がっていなくても評価額がマイナスになるのか
オルカンやS&P500に連動する投資信託は、円建てで基準価額が表示されますが、中身はほとんどが外貨建て(主に米ドル建て)の資産です。 基準価額は、ざっくり言うと「外貨建ての資産価値 × 為替レート」で決まります。 米国株の価格がまったく同じでも、円高が進めば円換算の評価額は目減りします。
仮に100万円分のオルカンを、1ドル163円のときに保有していたとします。 米国株の価格(ドルベース)が変わらなかったとしても、円換算のレートが155円まで進めば、評価額は次のように変わります。
| 項目 | 163円換算時 | 155円換算時 |
|---|---|---|
| 資産評価額(米国株の価格は同一と仮定) | 100万円 | 約95万1,000円 |
| 差額 | - | 約▲4万9,000円(-4.9%) |
株価が1円も動かなくても、円換算では約4.9%目減りする計算です。 米国株そのものが値下がりしたわけではなく、為替差損が評価額に乗っているだけだと分かります。
円高の月は、同じ金額で多く買えている
評価額が減る一方で、積立には逆向きの効果が働いています。基準価額が下がった月は、同じ積立額でより多くの口数を買えるためです。
毎月3万円をオルカンやS&P500の投資信託に積み立てているとします。為替だけを取り出して単純化すると、次のような差が生まれます。
| 為替レート | 3万円で買えるドル建て資産(概算) |
|---|---|
| 1ドル163円のとき | 約184.0ドル分 |
| 1ドル155円のとき | 約193.5ドル分 |
円高が進んだ月は、同じ3万円で約9.5ドル、率にして約5.2%多くのドル建て資産を買えます。 ドルコスト平均法は、価格(為替を含む)が下がったときに多く買い、価格が高いときに少なく買うことで、平均取得単価をならす仕組みです。 円高は、まさにこの仕組みが有利に働くタイミングです。
ここまでは「評価額がなぜ減るのか」という仕組みの話です。 実際に売るべきかどうかの判断は、別の記事にまとめています。
1ドル163円99銭から153円台まで進んだ局面で、S&P500の評価額が18万円減っても1口も売らなかった記録です。 2024年の円高で売った人にその後何が起きたか、逆に売っていい3つの条件まで書いています。 → 円高でS&P500の評価額が18万円減っても、1口も売っていない理由
相場の動きは、積立を止める理由にならない
相場や為替の動きは、積立を止める理由にはなりません。 止めるべきタイミングがあるとすれば、それは市場ではなく家計の事情です。
- 収入が大きく減り、生活防衛資金を取り崩す必要がある
- 数年以内に使う予定のお金(住宅購入の頭金など)を、誤って長期の積立に回してしまっていた
このような事情がないなら、為替介入のニュースを理由に積立を止める必要はありません。
まとめ:評価額は「資産の価値 × 為替レート」で決まる
2026年8月の為替介入は、オルカンやS&P500を積立中の方にとって、評価額のマイナスという形で影響が出ました。 しかし、次の3点を踏まえると、慌てて売る理由にはなりません。
- 為替差損であり、米国株そのものが値下がりしたわけではない
- ドルコスト平均法によって、むしろ多く買えるチャンスである
- 老後資金・教育資金のような長期の目標であれば、結果への影響は小さい
積立は、目標の時期(老後資金なら退職前後、教育資金なら進学時期)まで淡々と続けることが、最終的なリターンを左右します。 今回の為替介入は、ドルコスト平均法の仕組みを身をもって体験できる機会でもあります。
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株価が下がったらどうする?暴落・下落時の行動と心構え →【免責事項】本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄・金融商品への投資を推奨するものではありません。 為替レート・介入に関する事実関係は記事執筆時点(2026年8月)の報道に基づくもので、その後の推移により状況が変わっている可能性があります。 試算は為替レートのみを単純化して計算したものであり、実際の投資信託の基準価額は組入銘柄の値動き・信託報酬等の影響も受けます。 投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。当ブログは投資助言業者ではありません。
