公務員の株の税金と確定申告|配当金の申告方法と、住民税で職場に知られるかを確認

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【訂正(2026年10月20日)】この記事は、「確定申告する場合は住民税を『普通徴収』に設定すれば職場対策になる」と書いていました。自治体の案内を確認したところ、「自分で納付」を選んでも特別徴収(給与天引き)になる場合があると分かりました(申告した所得がマイナスの場合、特定口座の上場株式等を確定申告で清算する場合など)。損益通算のための申告は、これに当たる場合があります。また、令和6年度から、申告した配当・譲渡所得は住民税の合計所得金額に入り、扶養控除や国保料に影響することも書いていませんでした。「住民税バレ対策」の節と、まとめを書き直しました。
【追記(2026年10月20日)】口座の種類と確定申告の要否の表で、「特定口座(源泉徴収なし)は配当20万円超で必要」と書いていたのは誤りでした(上場株式等の配当は、金額にかかわらず確定申告不要を選べます。20万円は、給与所得者の「給与以外の所得」の基準です)。総合課税と配当控除で「実質ほぼ非課税」と書いていた点も、住民税の約7.2%が残るため訂正しました。
【訂正(2026年11月3日)】「総合課税を選ぶと税率が高くなることがほとんど」と書いていましたが、誤りでした。配当控除を含めて、所得税・復興特別所得税・住民税を合計すると、課税所得が約695万円以下なら、総合課税のほうが申告不要より税負担は軽くなります。「現役公務員は申告不要が基本」という結論は残し、理由と、総合課税を試算してよい人の条件を書き直しました。

「高配当株で配当金をもらったら、確定申告は必要なの?」
「確定申告したら職場にバレない?」

公務員の方からこういった質問をよくいただきます。 実は、申告の仕方を間違えると数万円以上損をすることがあるのに、 正しく理解している人は意外と少ないのです。

この記事では、高配当株投資をしている公務員の方に向けて、 税金の基本から確定申告の要否・住民税対策まで、コアラ先生がわかりやすく解説します。

公園のユーカリの木の上で本を読むコアラ先生に、スマホを持ったタヌマルが駆け寄る

タヌマル先生!配当は申告したほうが得って、SNSで見ました!

コアラ先生…おや、元気だね。

木から下りたコアラ先生が指を立てて優しく話し、タヌマルは得意げにスマホを持っている

タヌマルやっぱり!

コアラ先生そう思うよね。でも実は、人によって変わるんだよ

タヌマルが驚いた表情でメモ帳に書き込み、コアラ先生が指を立てて教えている

タヌマル…え、そうなんですか?

コアラ先生課税所得が約695万円以下かどうかが、分かれ目なんだ

ひらめいたタヌマルの頭上に電球が光り、コアラ先生が笑顔でうなずいている

タヌマル今日、源泉徴収票を見てみます!

コアラ先生まず、自分の課税所得を確認しよう

登場人物:コアラ先生(元教員)と、教え子のタヌマル(今年公務員になった新人)。絵はAIで作成しています。

📌 この記事でわかること
  • 株の配当金にかかる税金のしくみ(20.315%の内訳)
  • 公務員が確定申告すべきケース・不要なケース
  • 「申告分離課税」と「総合課税」どちらを選ぶべきか(損益分岐は課税所得695万円)
  • 損失が出たときの「損益通算・繰越控除」の使い方
  • 住民税で職場に伝わる情報と、申告したときの影響
🎬 この記事の内容を動画で見る(3分40秒)
申告不要・申告分離課税・総合課税の違い、配当10万円の税金の比較、総合課税で変わる4つ、試算してよい人の条件を、約3分40秒で見られます。記事は、損益通算や住民税のしくみ、申告の手順まで載せています。

まず知っておきたい:株の税金のしくみ

株式投資で発生する利益には、大きく2種類あります。

利益の種類内容税率
配当所得企業から受け取る配当金20.315%
譲渡所得株を売ったときの売却益20.315%

どちらも税率は20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)です。

たとえば配当利回り4%の株を200万円分保有している場合、年間配当は8万円。 そのうち約1万6,000円が税金として引かれます。 これが積み重なると、長期では大きな差になります。

💡 NISAなら税金ゼロ!

NISA口座(新NISA)で受け取る配当金は非課税です。 配当収入を最大化したい方は、まずNISA枠を優先的に使いましょう。 詳しくは公務員のための新NISA活用術をご覧ください。

特定口座の「源泉徴収あり」なら確定申告は原則不要

証券会社で口座を開く際、「特定口座(源泉徴収あり)」を選んでいる方が多いと思います。 この場合、税金の計算・納付はすべて証券会社が自動でやってくれます。

配当金を受け取ったとき、すでに20.315%が引かれた状態で入金されているので、 原則として確定申告は不要です。

口座の種類配当売却益確定申告
NISA口座非課税非課税不要
特定口座(源泉徴収あり)受け取るときに20.315%が引かれる証券会社が自動で源泉徴収原則不要
特定口座(源泉徴収なし)受け取るときに20.315%が引かれる自分で計算・納付売却益があれば必要(※)
一般口座受け取るときに20.315%が引かれる自分で計算・納付売却益があれば必要(※)

※給与所得者は、給与以外の所得が年20万円以下なら、所得税の申告は不要です(国税庁 No.1900)。ただし住民税には、この制度がありません(杉並区の案内)。 配当は、上場株式等なら金額にかかわらず、確定申告不要を選べます(国税庁 No.1330)。申告の要否を分けるのは、主に売却益と、損益通算・繰越控除をするかどうかです。

公務員にとって一番ラクなのは「特定口座(源泉徴収あり)」です。 確定申告の手間がなく、投資しているかどうかが職場に伝わる心配もありません。

確定申告をあえて「する」メリットがある場合

「源泉徴収ありで申告不要なら、確定申告はしなくていいのでは?」と思いがちです。 しかし、状況によっては申告した方が得になるケースがあります。

① 損失が出たとき:損益通算で税金を取り戻せる

A株で30万円の配当を受け取り、B株で20万円の売却損が出た場合、 損益通算すると課税対象は10万円だけになります。 A株で源泉徴収された税金の一部が還付されるのです。

損が出た年は、確定申告で損益通算をすることで税金を減らせます。

② 繰越控除:損失を翌年以降3年間に繰り越せる

その年の利益で相殺しきれなかった損失は、翌年以降3年間に繰り越して控除できます。 これを「繰越控除」といいます。

例:2026年に50万円の売却損 → 確定申告で繰越。 2027年に30万円の利益が出ても課税ゼロ(損失50万円のうち30万円と相殺)。

繰越控除を使うためには、損が出た年も必ず確定申告する必要があります。 やらないと権利が消えてしまうので注意してください。

③ 配当控除で、総合課税のほうが税金が軽くなる場合がある

課税所得が約695万円以下なら、総合課税を選んだほうが、申告不要より配当の税負担は軽くなります。 退職後や育休中の年だけの話ではありません。金額は次の章で計算します。

申告分離課税 vs 総合課税:どちらを選ぶべきか

確定申告をする場合、配当所得の申告方法には2つの選択肢があります。

方式税率住民税への影響メリット
申告分離課税 一律20.315% 反映される 損益通算・繰越控除ができる
総合課税 給与と合算して累進課税(所得税5〜45%+住民税10%)。配当控除を引く 反映される 配当控除が使える。課税所得が約695万円以下なら税負担が下がる
申告不要(源泉徴収のみ) 一律20.315% 反映されない 手続き不要・住民税が増えない

税金だけを見るなら、課税所得が約695万円以下の人は総合課税が得になる

申告不要では、配当から一律20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%+住民税5%)が引かれて終わります(国税庁 No.1330)。 総合課税では、配当を給与と合算して税額を出し、配当控除(所得税10%・住民税2.8%)を引きます(国税庁 No.1250)。 配当にかかる実質の税率は、その人の所得税率で決まります。

所得税率課税所得(配当を除く)総合課税での配当の実質税率申告不要(20.315%)と比べると
5%195万円以下約2.1%軽い
10%195万円超〜330万円7.2%軽い
20%330万円超〜695万円約17.4%軽い
23%695万円超〜900万円約20.5%重い(差は0.16ポイント)
33%900万円超〜1,800万円約30.7%重い

※ 実質税率=所得税(復興特別所得税2.1%込み)+住民税10%−配当控除(所得税10%・住民税2.8%)。所得税の区分は国税庁 No.2260の税率表。 5%の行は、配当控除が給与分の所得税からも引かれるため、配当の税率が一時的に下がって約2.1%になります(課税所得と配当の合計が195万円以内の場合)。 住民税の配当控除2.8%は、市町村1.6%+道府県1.2%です(杉並区・岡山市の案内)。

実際の金額は、課税所得と配当の額で変わります。次の表は、総合課税を選んだとき、申告不要より何円得になるかの目安です。

課税所得(配当を除く)配当が年10万円30万円50万円100万円
150万円18,20054,70088,500154,100
250万円13,10039,30065,600110,700
400万円2,9008,70014,50029,100
550万円2,9008,70014,50029,100
650万円2,9008,70013,00012,200
750万円−200−500−800−1,600

※ 数字は円。課税所得は配当を除いた額、配当は年間の額。マイナスは申告不要のほうが得。特定口座(源泉徴収あり)の上場株式の配当を、所得税・復興特別所得税・住民税の合計で比べた概算です(100円未満は四捨五入)。 給与以外の所得はなく、調整控除などの細かい控除は含めていません。650万円の行は、配当が増えると課税所得と配当の合計が695万円を超える部分が出るため、50万円・100万円の列で数字が下がります。

自分の課税所得は、源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を引くと求められます。 課税所得が695万円を超えても、課税所得と配当の合計が900万円以内なら、申告不要との差は年1,600円以内です(配当100万円まで)。900万円を超える部分は、申告不要のほうがはっきり得になります。

それでも現役公務員の基本が「申告不要」なのは、税金以外が変わるから

差額が出ても、総合課税を選べば得、とは言い切れません。総合課税を選ぶと、次の4つが変わります。

  1. 確定申告が必要になる。毎年2月16日〜3月15日に、証券会社の年間取引報告書で申告します。
  2. 住民税が変わる。令和6年度から、住民税も所得税と同じ課税方式になりました。申告した配当は住民税の合計所得金額に入り、給与天引きの住民税額が変わります。職場に届く通知書の税額も変わります(載るのは税額だけです)。
  3. 扶養と保険料に影響が出る場合がある。配当を受け取る人が配偶者や親の扶養に入っていると、申告した配当が合計所得に入り、扶養控除・配偶者控除の対象から外れることがあります。国民健康保険料なども上がることがあります(練馬区の案内)。
  4. 売却損との損益通算ができない。損益通算は申告分離課税を選んだときの仕組みで、総合課税では使えません。選ぶ方式は、申告する配当の全額にそろえます(国税庁 No.1331)。
🐨 コアラ先生の推奨:まず申告不要。次の4つがそろう人だけ、総合課税を試算する
  • 課税所得が695万円以下
  • 配当が年35万円前後以上(課税所得が400〜550万円なら、30万円で約8,700円、35万円で約1万円の差)
  • すでに毎年、確定申告をしている(医療費控除や住宅ローン控除の初年度など)
  • 配当を受け取る本人が、誰かの扶養に入っていない

差が1万円に届かない額のために、申告の手間と通知書の税額の変化を引き受ける意味は薄いと判断しています。株を売って損が出た年は、損益通算のために申告分離課税を選びます。

退職後・育休中の年は、差がさらに大きくなる

課税所得が195万円以下の年は、配当控除が給与分の所得税からも引かれ、配当の実質税率は約2.1%まで下がります。 課税所得150万円・配当30万円なら、申告不要より約5.5万円(54,700円)得になります。ゼロにはなりません。

ただし、申告した配当は扶養や保険料の判定に使う所得に入ります。国民健康保険に切り替わった年は、保険料への影響を先に確認します。

⚠️ 配当控除が使えるのは、総合課税を選んだ配当だけ

配当控除は、確定申告で総合課税を選んだ配当にだけ使えます(国税庁 No.1250)。次の配当は対象外です。

  • NISA口座の配当(元から非課税)
  • 申告分離課税や、確定申告不要を選んだ配当
  • J-REITや外国法人の配当

投資信託の分配金は、種類によって配当控除の率が10%・5%・対象外に分かれます(個別株の配当は10%)。

公務員が最も気をつけるべき:住民税の「バレ」対策

公務員の方からよく聞く心配ごとのひとつが、 「確定申告したら、株をやっていることが職場にバレないか?」というものです。

特定口座(源泉徴収あり)で申告不要を選んでいれば、 株の所得は住民税の計算に入らず、職場に株の情報は伝わりません。

問題になるのは、確定申告をした場合です。 申告した配当・譲渡の所得は住民税の計算に入るため、職場に届く住民税の税額(給与天引き)が変わる場合があります。

ただし、職場に届く「特別徴収義務者用」の通知書には、給与から差し引く税額だけが載ります。所得の種類・金額・控除は載りません(水戸市・中野区・足立区・中央区の案内)。 税額が変わっても、その理由は通知書から分かりません。

不安そうなタヌマルに、コアラ先生が穏やかに手を差し出して安心させている

タヌマル確定申告したら、職場にバレませんか…?

コアラ先生いい心配だね。通知書に載るのは税額だけだよ

首をかしげて頬をかくタヌマルに、コアラ先生が指を立てて注意点を伝えている

タヌマル税額だけ…?

コアラ先生でも、扶養や保険料に影響する場合がある。申告の前に確認しよう

「自分で納付(普通徴収)」を選べる場合と、選べない場合

確定申告書の第二表「住民税・事業税に関する事項」に、「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」の欄があります。 ここで「自分で納付」を選ぶと、給与・公的年金以外の所得にかかる住民税を、納付書で自分で納められます。 中央区は、営業所得・不動産所得・配当所得などについて、「自分で納付」を選べると案内しています。

⚠️ 「自分で納付」を選んでも、特別徴収(給与天引き)になる場合がある
  • 申告した所得がマイナスの場合(中央区・足立区)
  • 追加で申告した控除が、追加した所得にかかる税額より大きい場合(中央区・足立区)
  • ふるさと納税の税額控除が、申告した所得にかかる税額より大きい場合(中央区・足立区)
  • 特定口座(源泉徴収あり)の上場株式等を、確定申告で清算する場合(足立区)

損益通算で源泉徴収された税金を取り戻す申告は、最後の例に当たる場合があります。そのときは、申告の結果が給与天引きの税額に反映されます。 自治体によって扱いが違うため、申告の前に、お住まいの自治体の税務課の案内を確認してください。

職場より先に見るのは、扶養と保険料への影響

令和6年度分以降の住民税は、上場株式等の配当・譲渡所得の課税方式が、所得税と一致します。 確定申告で申告した配当・譲渡所得は、住民税の「合計所得金額」に入ります。 扶養控除や配偶者控除、非課税の判定、国民健康保険・後期高齢者医療・介護保険の保険料の算定の基準になる所得に含まれます(杉並区の案内)。

申告不要を選ぶと、配当は扶養の判定などの所得に計上されません。申告するかどうかは、税金の損得に、この影響も加えて決めます。

🐨 コアラ先生の結論:公務員の基本戦略はこれ
  • NISA口座を最大限活用 → 配当金は非課税。確定申告不要。
  • 特定口座(源泉徴収あり)を使う → 税処理は証券会社まかせ。原則申告不要。
  • 損失が出た年だけ確定申告して損益通算・繰越控除を活用。
  • 配当が年35万円前後以上で課税所得が695万円以下なら、総合課税の試算もする(扶養と住民税への影響を確認してから)。
  • 確定申告する場合は、住民税の徴収方法を確認。損益通算の申告は、給与天引き(特別徴収)になる自治体がある。

確定申告の時期と手順(かんたんまとめ)

確定申告が必要な場合の基本的な流れを確認しておきましょう。

項目内容
申告期間毎年2月16日〜3月15日(前年分の申告)
申告方法e-Tax(オンライン)または税務署窓口
必要書類特定口座年間取引報告書(証券会社から1月末に送付)
損失繰越損が出た年も必ず申告(申告しないと繰越権利消滅)

e-Taxは国税庁の公式サービスで、マイナンバーカードがあればスマートフォンからも申告できます。 証券会社の年間取引報告書をもとに入力するだけなので、思ったより簡単です。

まとめ

税金の話は難しく見えますが、公務員の方への基本メッセージはシンプルです。

  1. NISAを優先して配当金を非課税に
  2. 課税口座は特定口座(源泉徴収あり)で確定申告不要に(配当が大きい人は、総合課税の試算も)
  3. 損失が出た年は確定申告して損益通算・繰越控除を活用
  4. 確定申告する場合は、住民税の徴収方法と、扶養・保険料への影響を確認する(職場に届く通知書には税額だけが載る)

この4つを押さえておけば、税金で損をすることは減ります。 制度を正しく理解して、賢く配当収入を積み上げていきましょう!

夜の居酒屋で、ウーロン茶のタヌマルと小さな杯のコアラ先生が乾杯している

タヌマルメモしました!ありがとうございます!

コアラ先生基本は申告不要。損が出た年は、申告だよ

※ 税制は年度ごとに変更になる場合があります。最新情報は国税庁ホームページまたは税理士にご確認ください。 本記事は情報提供を目的としており、個別の税務相談には該当しません。

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【免責事項】本記事は税制・確定申告の一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務相談・投資助言ではありません。税率や制度の内容は2026年時点のもので、税制改正により変わる場合があります。配当所得の住民税の取り扱い(普通徴収の可否など)はお住まいの自治体によって異なります。実際の申告や税額の判断は、お住まいの市区町村の税務窓口・税務署・税理士に必ずご確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。