含み損の株を年内に売ると、配当の税金が戻る|高配当株の「損出し」の仕組みと2026年の期限

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高配当株を持っていると、年末に、含み損の銘柄が目に入ります。売るかどうか迷う前に、知っておく仕組みがあります。 特定口座(源泉徴収あり)で配当を受け取っている人は、含み損の株を年内に売ると、その年の配当にかかった税金が戻ります。 2026年の損益にするには、国内株は12月28日(月)の約定までです。

📌 この記事でわかること
  • 損出しで税金が戻る人と、関係ない人の見分け方
  • 配当10万円・含み損5万円のとき、いくら戻るか(計算例)
  • NISA口座の含み損では、税金が戻らない理由
  • 売った株を買い直すときの順番と、税金が「先送り」になる仕組み
  • 2026年の期限(12月28日)と、その根拠
🎬 この記事の内容を動画で見る(2分2秒)
戻る人・戻らない人、配当10万円・含み損5万円の計算例、買い直すときの注意を、約2分で見られます。記事はこの続きで、手順の全体、国税庁の根拠、よくある質問まで載せています。

まず結論:損出しで税金が戻るのは、どんな人か

あなたの状況損出しで税金は戻るか理由
特定口座(源泉徴収あり)で配当を受け取り、同じ口座に含み損の株がある戻る売却損と配当が、口座の中で自動的に通算される
NISA口座の株だけを持っている戻らないNISAの損失は通算できない。配当はもともと非課税
配当を「配当金領収証方式」で受け取っている口座の中では通算されない配当が証券口座を通らないため。確定申告で通算はできる
含み損の株がない関係しない確定できる損失がない
複数の証券会社に口座がある会社をまたぐ分は確定申告が必要自動の通算は、同じ証券会社の口座の中だけ

※国税庁のタックスアンサー No.1474(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除)・No.1476(特定口座制度)で確認しました(2026年10月22日)。

1. 損出しとは:含み損を確定して、配当の税金と相殺する

損出しは、値下がりしている株を売って、損失を確定させることです。確定した損失は、同じ年の株の売却益や、配当と相殺できます。 国税庁の説明では、上場株式の売却損は、その年の上場株式の配当(申告分離課税を選んだもの)と損益通算できます。引ききれない損失は、翌年以後3年間繰り越せます(No.1474)。

高配当株の投資家にとって大事なのは、相手が「配当」でも通算できる点です。売却益がない年でも、配当を受け取っていれば、税金が戻る場合があります。

2. 特定口座(源泉徴収あり)なら、口座の中で自動的に戻る

国税庁の説明では、源泉徴収ありの特定口座に配当を受け入れている場合、源泉徴収する税額は、配当の総額から、その口座で生じた売却損を引いた金額に税率をかけて計算します(No.1476)。 つまり、損失を確定させると、その年に差し引かれていた配当の税金が、口座の中で計算し直されて戻ります。このとき、確定申告はいりません。

条件は、配当が証券口座を通って入ってくることです。NISA口座で配当を非課税にするために設定する株式数比例配分方式なら、特定口座の株の配当も証券口座で受け取ります。 受取方式の確認手順は、株式数比例配分方式の記事にまとめました。 配当を源泉徴収ありの口座に受け入れる設定かどうかは、証券会社の画面か窓口で確認してください。

3. 計算例:配当10万円・含み損5万円なら、約1万円戻る

場面課税される額税金(20.315%)
損出しをしない配当10万円約2万315円
含み損5万円の株を売る配当10万円−損失5万円=5万円約1万158円
差(戻る額)—約1万円

※所得税・復興特別所得税15.315%と住民税5%の合計20.315%で計算した概算です(私が計算)。実際の金額は、証券会社の計算と端数処理で少し変わります。

損失が配当より大きい場合(例:損失15万円)、ほかに売却益がなければ、その年の配当の税金は全額戻ります。残った5万円の損失を翌年以降に繰り越すには、確定申告が必要です(No.1474)。 翌年以降も続けて申告する必要があります。

4. NISA口座の含み損では、税金は戻らない

国税庁の説明では、NISA口座で生じた売却損は、損益通算も繰越控除もできません(No.1474)。 NISA口座の配当と売却益は、もともと非課税です。損出しの対象は、特定口座で持っている株だけです。

NISA口座の株を年末に売っても、税金は戻らず、使った枠もその年のうちには戻りません。売った分の枠が戻るのは、翌年以降です。 年末のNISAの判断は、NISAの枠が余ったときの考え方にまとめました。

⚠️ 損出しは、税金を「なくす」のではなく「先に送る」

売った株を買い直すと、その株の取得単価は、買い直した値段になります。将来、値段が戻ってから売れば、その分の利益に税金がかかります。 損出しは、今年の税金を減らす代わりに、将来の税金を増やす可能性がある操作です。

それでも意味があるのは、今年の税金が先に戻り、そのお金を使えるからです。ただし、手数料と、売ってから買い直すまでの値動きの差が出ます。

5. 買い直すなら、先に売ってから買う

同じ銘柄を何回かに分けて買った場合の取得費は、総平均法に準ずる方法で計算します(国税庁 No.1466)。 先に買い増してから売ると、平均の取得単価が変わり、確定できる損失が小さくなります。買い直すなら、先に売って、そのあとで買います。

  1. 特定口座の含み損を確認する。証券会社の「保有銘柄」で、口座区分が特定口座のものだけを見ます
  2. 今年の配当と売却益を確認する。損失が配当より大きいと、余った分は口座の中では戻りません
  3. 売る。12月28日(月)の約定までに売ります
  4. 持ち続けたい銘柄なら、売ったあとに買い直す。同じ日に買い直すと、値段の差を小さくできます

持ち続けるかどうかの判断は、税金とは別に考えます。減配や業績の悪化が理由の含み損なら、買い直さない選択もあります。判断の基準は高配当株を売るべき4つのサインにまとめました。

6. 2026年の期限は12月28日(月)

損出しを2026年の損益にするには、受渡日が年内になる必要があります。国内株の受渡は、約定日の2営業日後です。 日本取引所グループのカレンダーでは、2026年12月31日(木)は休業日です。年内最後の受渡日は12月30日(水)なので、最後の約定日は12月28日(月)です。

楽天証券は、2026年のNISAの年内買付の期日を、国内株式は12月28日(月)15:30と案内しています(2026年10月1日掲載)。受渡日が年内という考え方は同じです。 最終日の時刻や、米国株・投資信託の期日は、使っている証券会社の年末の案内で確認してください。

12月決算の銘柄は、12月28日が権利付最終日でもあります(2026年の権利付最終日カレンダー)。その日に売って買い直さなければ、その銘柄の期末配当の権利はなくなります。同じ日のうちに買い直せば、権利付最終日に持っていることになり、権利は残ります。 12月に権利が確定する銘柄は、12月権利の高配当株の記事で一覧にしました。

年末の他の期限(NISA・投資信託・12月末の配当の権利)は、年末の株の期限カレンダーにまとめました。国内株の年内の最終日は12月28日(月)15:30です。

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よくある質問

Q. 損出しをすると、確定申告は必要ですか?

1つの証券会社の特定口座(源泉徴収あり)で、配当もその口座で受け取っている場合は、口座の中で自動的に計算し直されるため、確定申告は不要です。確定申告が必要になるのは、複数の証券会社の損益を通算する場合と、引ききれない損失を翌年以降に繰り越す場合です(国税庁 No.1474・No.1476)。

Q. NISA口座の含み損の株を売っても、税金は戻りますか?

戻りません。NISA口座で生じた売却損は、損益通算も繰越控除もできません(国税庁 No.1474)。NISA口座の配当や売却益は、もともと非課税です。損出しの対象は、特定口座で持っている株です。

Q. 売った株を、すぐに買い直してもよいですか?

買い直すことはできます。ただし、先に売ってから買い直してください。同じ銘柄を何回かに分けて買った場合の取得費は、総平均法に準ずる方法で計算します(国税庁 No.1466)。先に買い増してから売ると、平均の取得単価が変わり、確定できる損失が小さくなります。また、買い直した株は取得単価が下がるため、将来売るときの利益が増えます。税金は消えるのではなく、先に送られます。

Q. 2026年の損益にするには、いつまでに売ればいいですか?

国内株は、受渡日が年内になる取引までです。2026年は12月31日(木)が取引所の休業日で、受渡は約定の2営業日後のため、12月28日(月)の約定が最後になります。楽天証券は、2026年のNISAの国内株の買付期日も12月28日(月)15:30としています。最終日は、使っている証券会社の年末の案内で確認してください。

まとめ

  • 特定口座(源泉徴収あり)で配当を受け取っていれば、含み損の株を売ると、その年の配当の税金が口座の中で戻る。確定申告は不要
  • 配当10万円・損失5万円なら、戻るのは約1万円(20.315%の概算)
  • NISA口座の損失は通算できない。損出しの対象は特定口座の株だけ
  • 買い直すなら、先に売ってから買う。税金は消えずに先送りになる
  • 2026年の期限は、国内株で12月28日(月)の約定まで

今日やるのは、証券会社の画面で、特定口座の含み損と、今年受け取った配当の額を並べて見ることです。 損失が配当より小さい範囲なら、口座の中で税金が戻ります。

【免責事項】本記事は情報提供のみを目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。損益通算・特定口座・取得費の扱いは国税庁のタックスアンサー(No.1474・No.1476・No.1466)、取引所の休業日は日本取引所グループのカレンダー、NISAの年内買付の期日は楽天証券の案内(いずれも2026年10月22日確認)に基づきます。計算例は20.315%で計算した概算で、実際の税額は証券会社の計算・端数処理・ほかの所得の状況によって異なります。年末の最終取引日の時刻は証券会社ごとに異なるため、各社の案内で確認してください。個別の税務上の取り扱いは、税務署または税理士にご相談ください。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。当ブログは投資助言業者ではありません。