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「公務員って株をやっていいの?」という質問に、一般職の国家公務員は、人事院・内閣人事局の資料に答えがあります。 「単に資産運用の一環として株式を所有したり、売買することは兼業規制に抵触するものではありません」。つまり、原則として問題ありません。 ただし注意点が4つあります。地方公務員は、株式の売買が許可の対象かを明記した資料を、確認できませんでした。
結論:立場別の判定表
| こういう人 | 判定 | なぜ |
|---|---|---|
| 一般職の国家公務員で、自分のお金で株を売買する | 原則OK(内規は確認) | 人事院・内閣人事局のQ&A問8に、資産運用の一環の株式の所有・売買は兼業規制に抵触しないと書かれている |
| 地方公務員で、自分のお金で株を売買する | 言い切れない(人事担当に確認) | 株式の売買が許可の対象かを明記した資料を、総務省の通知・確認した自治体の資料で確認できなかった |
| 担当業務が、上場会社への許認可などの権限に関わる | 重要事実を知った会社の株は、公表まで売買できない | インサイダー取引規制の「会社関係者」に当たりうる(楽天証券の説明) |
| 不動産の賃貸やブログ収入もある | 規模・継続性・収入額によっては承認・許可が必要 | 国家公務員のQ&A問6・問4 |

タヌマル公務員って、株をやったらダメですよね…?
コアラ先生いい質問だね。順番に見ていこう

コアラ先生一般職の国家公務員は、株の売買は原則OKだよ
タヌマルえっ、いいんですか!

コアラ先生内規とインサイダー取引には注意しよう
タヌマル内規…確認します!

タヌマル地方公務員は、どうですか?
コアラ先生資料で確認できなかったから、人事担当に聞こう
登場人物:コアラ先生(元教員)と、教え子のタヌマル(今年公務員になった新人)。絵はAIで作成しています。
- 国家公務員が株を売買してよい根拠(人事院・内閣人事局のQ&A)
- 4つの注意:所属先の内規/インサイダー取引/勤務時間中の売買/株以外の投資と収入
- 地方公務員で確認できなかったことと、人事担当への聞き方
1. 国家公務員は、株式の所有・売買が兼業規制に当たらない
一般職の国家公務員の兼業のルールは、国家公務員法第103条(営利企業の役員等の兼業・自営の制限)と第104条(報酬を得て営利企業以外の事業等に従事する場合の許可)にあります。 この二つについて、内閣人事局・人事院が「一般職の国家公務員の兼業について(Q&A集)」(令和6年6月)で、具体例ごとに答えています。
その問8が、株式についての答えです。
- 質問:株式の所有や売買は、兼業規制との関係で問題になりますか。
- 答え:単に資産運用の一環として株式を所有したり、売買することは兼業規制に抵触するものではありません。
直接答えているのは「株式の所有・売買」です。NISA口座は株式や投資信託を買うための口座で、売買の考え方は同じですが、FXや先物、暗号資産などの記載はありません。株式以外の取引は、所属先の人事担当部局に確認してください。
2. 注意① 所属先の内規を確認する
同じ問8に、次の注意が書かれています。
- 府省によっては、インサイダー取引の防止などの観点から、内規等で株取引等を制限している場合がある。
- 本省の審議官級以上の職員は、国家公務員倫理法に基づく株取引等の報告が必要。
- 保有株式が発行済株式総数の3分の1以下の場合や、所属府省と企業の間に職務上の関係が一切ない場合は、株式所有の報告は必要ない。3分の1を超え、かつ、その会社が所属府省の行政上の権限や行政指導の対象となっている場合などは、人事担当部局への報告が必要。
配当目的で複数の会社の株を少しずつ持つ場合、3分の1を超える保有は通常想定しにくいので、確認の中心は「内規の有無」です。 Q&Aの冒頭にも、法律等に基づく規制のほか、所属組織の内規で制限や審査の手続を設けている場合があるため、人事担当部局に確認するよう書かれています。
3. 注意② インサイダー取引
楽天証券の説明によると、インサイダー取引規制の「会社関係者」には、許認可権を有する官庁の公務員等で、その権限の行使に関して重要事実を知った人が含まれます。
- 重要事実を知った場合は、公表されるまで、その会社の株を売買できません。偶然知った場合も同じです。
- 違反すると、5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金です(併科もあります)。
全ての公務員が対象ではありません。自分の職務が、上場会社への許認可などの権限に関わるかは、自分で確認してください。 証券口座の勤務先欄の書き方と、対象になる人の範囲は、証券口座の「職業・勤務先」欄、公務員はどう書く?で整理しています。
4. 注意③ 勤務時間中の売買は職務専念義務
- 国家公務員法第101条第1項:職員は、法律又は命令の定める場合を除いては、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、政府がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。
- 地方公務員法第35条:職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。
株価の確認や注文は、休憩時間か勤務時間外にします。長く持つ投資なら、頻繁に確認する必要は少なくなります。
5. 注意④ 株以外の投資と収入(国家公務員のQ&Aより)
| 内容 | 承認・許可が必要になる目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 不動産の賃貸 | 独立家屋5棟以上/アパート10室以上/土地の契約10件以上/賃貸料収入が年額500万円以上など。小規模なら申請は不要 | 問6 |
| 駐車場の賃貸 | 駐車台数10台以上/建築物や機械設備のある駐車場/賃貸料収入が年額500万円以上 | 問6 |
| ブログ・YouTubeのアフィリエイト収入 | 得るだけでは兼業に当たらない。営利目的、投稿の継続性・反復性、規模(主には収入額)によっては、承認・許可が必要になる可能性がある | 問4 |
| 自分の制作物の報酬 | 単発の売却・出版は兼業に当たらない。依頼を受けた定期的な制作の報酬などは、該当する場合がある | 問3 |
6. 地方公務員の場合:確認できたことと、できなかったこと
確認できたこと
- 地方公務員法第38条第1項の許可の対象は、①営利企業の役員等を兼ねること、②自ら営利企業を営むこと、③報酬を得て事業又は事務に従事すること(総務省 総行公第72号 令和7年6月11日)。
- 「自ら営利企業を営む」の説明の例:高知県教育委員会の通知(令和8年3月)は、県立学校の教職員が「自己の名義で商業、工業、金融業等を経営する場合」としている(一自治体の例)。
- 不動産の賃貸などの許可申請が必要な基準は、高知県の通知で、5棟・10室・10件・年500万円・駐車場10台など、国家公務員と同じ数字が示されている(一自治体の例)。
- 勤務時間中は、地方公務員法第35条の職務専念義務がある。
確認できなかったこと
株式の売買が許可の対象か、対象外かを明記した資料は、総務省の通知、広島市の公式FAQ、高知県教育委員会の通知、検索した自治体の規則のいずれでも、確認できませんでした。民間のサイトには「許可不要」と書くものが多くありますが、一次情報ではないため、この記事では採用していません。
したがって、地方公務員の株式売買は、問題ないとも、問題があるとも、言い切れません。許可基準は自治体ごとの規則で決まるため、所属先の人事担当に確認してください。
7. 人事担当に聞くときの3つの質問(例)
- 株式の売買や保有について、内規や届出のルールはありますか。
- 担当している業務で、売買を控えるべき会社の範囲はありますか。
- 配当金や売却益、不動産や副収入について、申請が必要になる基準はありますか。
確定申告と職場への伝わり方
特定口座(源泉徴収あり)なら、原則として確定申告は不要です。損益通算や損失の繰越、一般口座の場合などは、申告が必要になることがあります。 申告が必要な条件と、住民税の通知書で職場に何が伝わるかは、株の税金と確定申告と、証券口座の「職業・勤務先」欄で確認してください。
よくある質問
一般職の国家公務員は、単に資産運用の一環として株式を所有したり売買したりすることは、兼業規制に抵触しないと、内閣人事局・人事院のQ&A(令和6年6月)に書かれています。ただし、府省によっては内規で株取引を制限している場合があります。
株式の売買が地方公務員法第38条の許可の対象かを明記した資料を、確認できませんでした。許可基準は自治体ごとの規則で決まるため、所属先の人事担当に確認してください。
国家公務員法第101条第1項・地方公務員法第35条の職務専念義務があります。株価の確認や注文は、休憩時間か勤務時間外にします。
国家公務員のQ&Aでは、アフィリエイトは得るだけでは兼業に当たりませんが、営利目的・継続性・収入額によっては承認・許可が必要になる可能性があります。不動産の賃貸は、独立家屋5棟以上・アパート10室以上・土地10件以上・年500万円以上などの大規模な場合に承認が必要です。
私が公務員だった頃も、株式投資について「やっていいの?」と迷いました。 当時は、条文や資料を自分で確認するところから始めました。 この記事では、確認できたことと、できなかったことを分けて書いています。 まずは所属先の人事担当に、内規の有無を確認するところから始めてください。
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【免責事項】本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄・金融商品への投資を推奨するものではありません。国家公務員の兼業・株式に関する内容は、内閣人事局・人事院「一般職の国家公務員の兼業について(Q&A集)」(令和6年6月)、国家公務員法第101条・第103条・第104条、地方公務員法第35条・第38条(e-Gov法令検索)、総務省 総行公第72号(令和7年6月11日)、高知県教育委員会の通知(令和8年3月23日)、楽天証券「インサイダー取引規制について」に基づきます(いずれも2026年11月2日確認)。地方公務員の取り扱いは、任命権者・自治体の規則・運用によって異なります。内規や運用は、所属先の担当部署にご確認ください。インサイダー取引規制の該当性は、個別の職務内容によります。投資には株価変動・減配・元本割れなどのリスクが伴います。投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。当ブログは投資助言業者ではありません。
