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東京都千代田区に本社を置く三菱HCキャピタル株式会社(証券コード:8593)。 2021年4月に旧・三菱UFJリースと日立キャピタルが合併して誕生した、 国内最大級の総合リース会社です。三菱UFJフィナンシャル・グループと日立製作所を 主要株主に持ち、設備リース・航空機・船舶・不動産・環境エネルギーなど多角的な 事業を国内外で展開しています。
高配当株として三菱HCキャピタルが注目される最大の理由は、 16期にわたる連続増配(IRBANKで確認できる2010年3月期以降)です。 2026/3期実績配当46円・2027/3期予想配当51円(利回り3.92%)と、 着実な増配が続いています。
三菱HCキャピタル(旧・三菱UFJリース時代を含む)は、IRBANKで確認できる2010年3月期以降、 2026/3期まで16期連続の増配です(2010年3月期より前は、この記事では確認していません)。株式分割(2013年4月1:10分割)や 2021年の日立キャピタルとの合併という大きな出来事を経ても、 一度も減配せず増配を続けてきた実績があります。 2027/3期も51円への増配(+5円)を予想しており、予想どおりなら記録はさらに伸びます。
三菱HCキャピタルの自己資本比率は15.2%(2026/3期)と、
通常の製造業や商社(40〜60%が目安)と比べて大幅に低く見えます。
しかしこれはリース業の構造上の特性であり、懸念すべき状況ではありません。
リース会社は顧客に貸し出す設備(航空機・機械・不動産など)を大量に保有するため、
資産総額が膨大になります。その購入資金は主に社債・借入金で調達するため、
自己資本比率が必然的に低くなります。
オリックス(約22%)や芙蓉総合リース(約10%)など、
国内主要リース会社は軒並み10〜25%の水準です。
リース会社を評価する際はROE・配当性向・増配継続性で判断するのが適切です。
基本情報
現在の株価・配当情報
スクリーニング指標
数値はIRBANKの値です(配当利回り・PER・PBRは2026年11月6日終値で計算)。
| 指標 | 三菱HCキャピタルの数値 | 目安・判定 |
|---|---|---|
| 配当利回り (株価に対する配当金の割合) |
3.92%(2027/3期予想51円ベース) 実績ベース 3.53%(2026/3期実績46円) |
✅ 3.5%以上 |
| 連続増配年数 (増配の継続実績) |
16期連続増配(2026/3期まで) | ✅ 10年以上(目安) |
| 配当性向 (利益のうち配当に回す割合) |
40.7%(2026/3期) | ✅ 20〜60% |
| ROE (自己資本利益率・経営効率) |
8.15%(2026/3期) | ✅ 8%以上(合併後で初めて達成) |
| PBR (株価純資産倍率) |
0.94倍(2026/3期実績) | ✅ 1.5倍以下(BPS1,385円に対し割安) |
| 自己資本比率 (財務の安定度) |
15.2%(2026/3期) | ⚠️ 40%未満——ただしリース業の業種特性(オリックス約22%・芙蓉総合約10%) |
| 時価総額 (会社全体の値段) |
約1.9兆円 | ✅ 500億円以上(大型株) |
| 減配なし(直近10年) | なし(2017〜2026/3期すべて増配) | ✅ 10年間一度も減配なし |
8項目中7項目クリア。自己資本比率のみ一般基準を下回りますが、 これはリース業の業種特性であり、同業他社と比較しても妥当な水準です。 連続増配・利回り・ROE・PBRすべての主要指標で優れた評価が得られる銘柄です。
📊 上の指標は、どれをどの順番で見るかで判断が変わります。見方は高配当株を買う前に見る5つの数字にまとめています。
10年グラフ
配当金推移(2017〜2026年度)
※2017〜2019年のEPSは配当性向から逆算した推算値。2020年以降はIRBANK実績値。
| 年度 | 1株あたり年間配当金 | EPS(参考) | 配当性向 | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 2017/3期 | 13円 | 約59.6円 | 21.8% | 基準年 |
| 2018/3期 | 18円 | 約71.4円 | 25.2% | 増配 +5円 |
| 2019/3期 | 23.5円 | 約77.3円 | 30.4% | 増配 +5.5円(配当性向引き上げ) |
| 2020/3期 | 25円 | 79.4円 | 31.5% | 増配 +1.5円 |
| 2021/3期 | 25.5円 | 62.1円 | 41.1% | 増配 +0.5円(コロナ禍も増配死守) |
| 2022/3期 | 28円 | 69.2円 | 40.4% | 増配 +2.5円(合併初年度) |
| 2023/3期 | 33円 | 81.0円 | 40.8% | 増配 +5円 |
| 2024/3期 | 37円 | 86.3円 | 42.9% | 増配 +4円 |
| 2025/3期 | 40円 | 94.2円 | 42.5% | 増配 +3円 |
| 2026/3期(実績) | 46円 | 113.0円 | 40.7% | 増配 +6円(ROE初の8%超達成) |
| 2027/3期(予想) | 51円 | 約121円(推算) | 約42% | 増配予想 +5円 |
財務の安定性と業績推移
2021年の合併以降、売上・利益ともに成長が加速しています。
| 年度 | 売上高(営業収益) | 営業利益 | 純利益 | EPS | 自己資本比率 | ROE |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2020/3期 | 9,238億円 | 919億円 | 708億円 | 79.4円 | 12.4% | 9.10% |
| 2021/3期 | 9,477億円 | 623億円 | 553億円 | 62.1円 | 13.4% | 6.88% |
| 2022/3期 ★合併効果 | 1兆7,655億円 | 1,141億円 | 994億円 | 69.2円 | 12.7% | 7.59% |
| 2023/3期 | 1兆8,962億円 | 1,387億円 | 1,162億円 | 81.0円 | 14.3% | 7.60% |
| 2024/3期 | 1兆9,505億円 | 1,462億円 | 1,238億円 | 86.3円 | 15.1% | 7.35% |
| 2025/3期 | 2兆908億円 | 1,871億円 | 1,352億円 | 94.2円 | 15.2% | 7.55% |
| 2026/3期 ★ROE8%超 | 2兆2,153億円 | 2,404億円 | 1,622億円 | 113.0円 | 15.2% | 8.15% |
| 2027/3期(予想) | — | — | — | 約121円 | — | 約8〜9% |
2022/3期は三菱UFJリース+日立キャピタルの合併により売上が 約9,477億円→1兆7,655億円と約86%増加しました。 合併直後の2022/3期は純利益が553億円から994億円に増えたものの、1株利益(EPS)は62.1円から69.2円と伸びが小さく、2020/3期の79.4円には届きませんでした。 2023年以降は統合シナジーが発揮され、売上・利益ともに成長が加速。 2026/3期の営業利益2,404億円・純利益1,622億円は合併後最高益を更新しました。
特筆すべきは2026/3期のROE8.15%。これは合併後初めて8%の壁を超えた水準で、 東証が掲げるPBR・ROE改善要請に応える形で資本効率が改善されてきています。 自己資本比率は15.2%(リース業の特性上、一般基準を下回るが同業比較では中位)。 BPSは毎期拡大しており(2022年912円→2026年1,385円)、 純資産の着実な積み上がりが配当余力の基盤となっています。
🐨 コアラ先生のひとこと
コアラ先生の正直評価:
三菱HCキャピタルは、コアラ先生が考える「理想の高配当株」に近い銘柄です。
16期連続増配・配当性向40%台・ROE8%超・PBR1倍以下——これだけの条件が揃う銘柄は
多くありません。「高配当×増配継続」の組み合わせは、長期保有すると
コスト利回りが雪だるま式に上昇していく形です。
2017/3期末ごろの株価(約556円)で購入していた場合、2026/3期配当46円はコスト利回り約8.3%になります(概算・手数料と税は考慮せず)。
どんな方に向いているか:
①高配当と増配の両方を重視する方、②長期保有前提でNISAの成長投資枠に組み込みたい方、
③大型株で配当を得たい方——が、候補として確認する銘柄です。
一方で、リース業の特性(金利上昇リスク・資産品質リスク)を理解した上で投資してください。
注意すべきリスク:
①金利上昇リスク:リース会社は資金調達コストが上昇すると収益が圧迫されます。
日銀の金利正常化が進む局面では注意が必要です。
②航空機・船舶リスク:コロナ禍(2021/3期)で純利益が553億円に落ち込んだように、
航空機リース事業は需要変動の影響を受けやすい側面があります。
③為替リスク:グローバル展開による外貨収益は円高局面で目減りします。
これらのリスクを抱えながらも、2010年3月期以降の16期は連続で増配してきました。ただし、今後も続く保証はありません。
配当金・業績データ(出典:IRBANK)
配当金:https://irbank.net/8593/dividend
財務データ:https://irbank.net/8593/results
株式指標:https://irbank.net/8593/per
株価データ
株価グラフは、IRBANKの1株配当と配当利回りから逆算した期末株価の目安(概算)を使用しています。
最新の株価はYahoo!ファイナンスでご確認ください。
Yahoo!ファイナンス:https://finance.yahoo.co.jp/quote/8593.T
株式分割について
2013年4月1日に1株→10株の株式分割を実施しました。
本記事のデータはすべて分割後の株数ベースで統一されています。
配当利回りの計算方法
年間配当金 ÷ 株価 × 100 = 配当利回り(%)
予想配当利回り(3.92%)は2027/3期予想配当51円をIRBANKの参考株価で計算しています。
最新情報を確認する
最新の株価・配当情報は必ず以下でご確認ください。
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NISA口座で受け取る場合も、受取方式を株式数比例配分方式にすると非課税になります(設定はNISAの受取方式の記事で解説)。
1業種に偏らせないことが、高配当株では効いてきます。考え方はセクター分散の記事にまとめました。
【免責事項】本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄・金融商品への投資を推奨するものではありません。 株価・配当・PER・PBRは2026年11月4日時点、その他の財務データは各指標に記載の決算期の値です(出典:IRBANK)。 株価・配当金・各種指標は常に変動します。投資にはリスクが伴います。 投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。 当ブログは投資助言業者ではありません。
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