在職老齢年金の基準は65万円に|公務員が65歳以降も働くと年金はいくら止まる?

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国家公務員の定年は、2023年4月から2年ごとに1歳ずつ引き上げられ、2031年4月に65歳になります(人事院)。地方公務員は、お勤め先の制度で確認してください。65歳まで働くと、年金をもらい始める時期と、働いて給料をもらう時期が重なります。そこで知っておきたいのが、在職老齢年金です。 結論は3つです。支給停止の基準額は、2026年度(令和8年度)から月65万円に上がりました。 年金(基本月額)と賃金(総報酬月額相当額)の合計が65万円を超えると、超えた分の半分が、老齢厚生年金から止まります。 老齢基礎年金は止まりません。

📌 この記事でわかること
  • 在職老齢年金の計算式(基本月額・総報酬月額相当額)
  • 基準額が51万円から65万円になった影響
  • 年金がいくら止まるかの早見表(仮の数字で計算)
  • 公務員(共済期間がある人)が確認すること
  • 配当金は、判定に含まれるのか

1. 在職老齢年金とは:合計が65万円を超えると、超えた分の半分が止まる

在職老齢年金は、老齢厚生年金をもらいながら賃金(給料とボーナス)がある人の、年金を調整する仕組みです。日本年金機構の公式ページでは、次のように案内されています(令和8年度)。

用語意味
基本月額老齢厚生年金(加給年金額を除く)の年額÷12。共済組合の期間の老齢厚生年金がある場合は、合算します
総報酬月額相当額その月の標準報酬月額+直近1年間の標準賞与額の合計÷12
基準額月65万円(令和8年度)

基本月額と総報酬月額相当額の合計が65万円以下なら、年金は全額支給されます。65万円を超えると、次の式で年金の月額が決まります。

📐 計算式(月額)

支給される年金 = 基本月額 −(基本月額 + 総報酬月額相当額 − 65万円)÷ 2

つまり、65万円を超えた分の半分が止まります。止まるのは老齢厚生年金で、老齢基礎年金は対象外です。

2. 基準額は、51万円から65万円に上がった

基準額は賃金の変動に応じて見直されます。公式ページによると、令和7年度までは51万円で、令和8年度(2026年4月〜)は65万円です。基準が上がると、これまで止まっていた人の年金が、止まらなくなる場合があります。下の表は、基本月額と総報酬月額相当額の仮の組み合わせで比べたものです。

基本月額総報酬月額相当額合計旧基準(51万円)新基準(65万円)
15万円40万円55万円月2万円止まらない
15万円50万円65万円月7万円止まらない
20万円50万円70万円月9.5万円月2.5万円
20万円60万円80万円月14.5万円月7.5万円

※数字はすべて、計算式の仕組みを見るための仮の数字です。止まる額は「基本月額+総報酬月額相当額−基準額」の半分で計算しています。

3. 年金がいくら止まるかの早見表

基本月額を10万円・15万円・20万円とし、総報酬月額相当額(月給とボーナスの月割りの合計)を変えて計算しました。令和8年度の基準額65万円を使っています。

総報酬月額相当額基本月額10万円基本月額15万円基本月額20万円
30万円止まらない止まらない止まらない
40万円止まらない止まらない止まらない
50万円止まらない止まらない月2.5万円止まる
60万円月2.5万円止まる月5万円止まる月7.5万円止まる
70万円月7.5万円止まる月10万円止まる月12.5万円止まる

たとえば、基本月額15万円・総報酬月額相当額70万円の場合、合計は85万円です。基準の65万円を20万円超えるので、その半分の10万円が止まり、受け取れる老齢厚生年金は月5万円になります。総報酬月額相当額が40万円までなら、基本月額が20万円でも、合計が65万円以下なので止まりません。

年金と賃金の合計が65万円以下に収まる働き方なら、年金は全額もらえる仕組みです。自分の基本月額は、ねんきん定期便・ねんきんネットで確認できます。

4. 公務員が確認すること

  • 共済期間も合算される:公式ページによると、共済組合の老齢厚生年金がある場合は、すべて合わせて基本月額を計算します。
  • 加給年金額は基本月額に入らない:基本月額は、加給年金額を除いた老齢厚生年金で計算します。
  • 老齢基礎年金は止まらない:支給停止の対象は老齢厚生年金だけです。
  • 70歳以降も続く:70歳以降は、標準報酬月額・標準賞与額に「相当する額」を使って判定されます。

定年が65歳になる世代は、年金のもらい始めも65歳からになる人が多く、年金と給料が重なる期間は短くなります。一方で、定年後に再び働くときの給料の水準によっては、この仕組みに関わります。老後の収入全体の見積もりは、老後キャッシュフロー早見表と老後資金計画の記事で確認してください。

5. 配当金は、総報酬月額相当額に入る?

日本年金機構の公式ページで、総報酬月額相当額は「標準報酬月額と、直近1年間の標準賞与額の合計÷12」と定義されています。配当金や利子は、この定義に出てきません。高配当株の配当は、賃金としては扱われない、と読めます。

ただし、公式ページは配当金に直接ふれていません。個別の判断は、年金事務所または共済組合に確認してください。配当を受け取る側で気をつけるのは、年金の停止よりも、確定申告の方法による税金や保険料の変化です。

6. 繰下げ受給との関係

年金の受け取りを遅らせる「繰下げ」をすると、年金額が増えます。ただし、在職老齢年金で支給停止になる部分は、繰下げによる増額の対象になりません。働いて賃金が多い人が繰り下げる場合は、止まる部分は増えない点に注意してください。

⚠️ この記事で確認できていないこと

次の点は、公式ページで確認できていないため、記事では断定していません。

  • 再任用など、公務員の働き方ごとの標準報酬月額の扱い
  • 退職等年金給付(共済の職域部分)が基本月額に含まれるか
  • 65歳未満で年金を受け取る場合の取り扱い(この記事は65歳以降を前提にしています)

ご自身の場合は、年金事務所・共済組合・勤務先の担当部署に確認してください。

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よくある質問

Q. 公務員も、在職老齢年金の対象になりますか?

日本年金機構の公式ページによると、共済組合の期間の老齢厚生年金がある場合は、それも合算して基本月額を計算します。賃金(標準報酬月額と標準賞与額)がある場合の仕組みで、公務員だからという理由で外れるわけではありません。ご自身の取り扱いは、年金事務所または共済組合に確認してください。

Q. 70歳を過ぎて働くと、どうなりますか?

公式ページでは、70歳以降は計算に使う賃金が「標準報酬月額に相当する額」「標準賞与額に相当する額」に変わると案内されています。日本年金機構のFAQでは、70歳以降に厚生年金の適用事業所で働く場合も、在職老齢年金で支給停止される場合があるとされています。70歳前後で基準額の金額が同じかどうかは、公式ページに明記がないため、年金事務所で確認してください。

Q. 老齢基礎年金も止まりますか?

止まりません。公式ページに、老齢基礎年金は支給停止の対象にならないと書かれています。止まる可能性があるのは、老齢厚生年金(報酬比例部分)です。

Q. 年金の受け取りを繰り下げると、止まった分も増えますか?

増えません。在職老齢年金で支給停止になる部分は、繰下げによる増額の対象になりません。日本年金機構のFAQで確認できます。ご自身の場合の増額は、年金事務所で確認してください。

Q. 基準額の65万円は、毎年変わりますか?

賃金の変動に応じて、毎年度見直される仕組みです。令和7年度までは51万円で、令和8年度(2026年4月〜)は65万円です。翌年度以降の額は、日本年金機構の公式ページで確認してください。

Q. 配当金を受け取ると、年金が止まりますか?

公式ページで総報酬月額相当額の定義に挙げられているのは、標準報酬月額と標準賞与額(賃金と賞与)です。配当金や利子は、公式ページの定義には出てきません。ただし、確定申告で総合課税を選ぶと、税金や保険料に影響する場合があります。詳しくは税金の記事で確認してください。

まとめ

  • 在職老齢年金の基準額は、令和8年度(2026年4月〜)から月65万円(令和7年度までは51万円)
  • 基本月額と総報酬月額相当額の合計が65万円を超えると、超えた分の半分が老齢厚生年金から止まる
  • 老齢基礎年金は止まらない。共済期間の老齢厚生年金は合算して計算する
  • 総報酬月額相当額の定義は標準報酬月額と標準賞与額。配当金は公式の定義に出てこない
  • 止まる部分は、繰下げをしても増えない

今日やるのは、ねんきん定期便かねんきんネットで、自分の老齢厚生年金の見込額(基本月額)を確認することです。月額に直すと、早見表のどこに当たるかが分かります。

【免責事項】本記事は情報提供のみを目的としており、個別の年金額や特定の金融商品への投資を保証・推奨するものではありません。基準額、計算式、用語の定義、70歳以降の取り扱い、老齢基礎年金が対象外であることは、日本年金機構の公式ページ(在職老齢年金・令和8年度、2026年11月4日確認)に、支給停止部分が繰下げの増額対象にならないことは、同機構のFAQ(繰下げ受給)に基づきます。国家公務員の定年の引上げ(2023年4月から2年ごとに1歳、2031年4月に65歳)は人事院の公式ページ(2026年11月4日確認)に基づきます。表の数字は計算式の仕組みを示す仮の数字で、実際の支給額は個人の加入記録により異なります。制度は改正される場合があります。ご自身の年金額は、ねんきんネット・年金事務所・共済組合で確認してください。