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プレステージ・インターナショナル(証券コード:4290)は、企業から問い合わせの対応や事務処理を請け負うBPO(業務の外部委託)の会社です。 配当は2022年3月期の8.5円から、2026年3月期の26円へ。4年で3.06倍になりました。
転機は2025年3月期です。配当は12円から24円へ倍になりました。 ところがこの期は利益が減っていて、1株利益(EPS)は45.34円から38.28円へ15.6%下がっています。 配当を倍にできたのは、利益のうち配当に回す割合(配当性向)を26.5%から62.7%へ引き上げたからです。
2027年3月期の会社予想は28円で、利回りは予想ベース4.03%、2026年3月期の実績ベースで3.74%です。 会社は中期経営計画で配当性向60%以上を目標に掲げていて、予想の59.2%はその手前にいます。 増配の中身と、買う前に確かめたい点を、9期分のデータで見ていきます。
基本情報
現在の株価・配当情報
100株買うには69,500円が必要です。年間の配当金は予想ベースで税引前2,800円、 NISA口座以外なら20.315%が引かれて手取りは2,231円になります。
スクリーニング指標
数値はIRBANK・会社のIRページの値です(配当利回り・PER・PBR・時価総額は2026年10月28日終値で計算)。
| 指標 | プレステージ・インターナショナルの数値 | 目安・コメント |
|---|---|---|
| 配当利回り (株価に対する配当金の割合) |
4.03%(2027/3期予想28円) 実績ベース 3.74%(2026/3期実績26円) |
目安3.5%以上 ✅ 実績ベースでも上回る |
| 自己資本比率 (総資産に占める自己資本の割合) |
58.8%(2026/3期) | 40%以上 ✅ ただし2014/3期の72%からは低下 |
| PER (株価収益率・割安度の目安) |
14.56倍(2027/3期予想) | 15倍以下 ✅ 目安の内側だが余裕は小さい |
| PBR (株価純資産倍率) |
1.78倍(2026/3期実績) | 1.5倍以下 ⚠️ 上回る(割安株ではない) |
| 配当性向 (利益のうち配当に回す割合) |
59.2%(2027/3期予想) | 20〜60% ⚠️ 範囲内だが上限に近い |
| ROE (自己資本利益率・経営効率) |
12.24%(2026/3期実績) | 8%以上 ✅ 2027/3期予想は12.21% |
| 連続増配年数 | 5期(2022〜2026/3期) | 2027/3期予想も増配(2021/3期は据え置き) |
| 時価総額 (会社全体の値段) |
863億円 | 500億円以上 ✅ |
8つの指標のうち6つが目安を満たし、⚠️はPBRと配当性向の2つです。 利回りや収益力は目安を超えていますが、株価は割安ではなく、配当性向は上限60%に近い水準です。 この2点は、後半の章で取り上げます。
📊 上の指標は、どれをどの順番で見るかで判断が変わります。見方は高配当株を買う前に見る5つの数字にまとめています。
10期分のグラフ
過去9期の配当金推移(減配の年があるかも確かめます)
2019年10月に1株を2株に分割しています。それより前の金額は、今の株数に合わせたIRBANKの分割調整後の値です。 2018/3期の6円は、記念配当(分割調整後1円)を含みます。
| 年度 | 1株あたり年間配当金 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2018/3期 | 6.00円 | 基準年 |
| 2019/3期 | 6.50円 | 増配 +0.5円 |
| 2020/3期 | 7.00円 | 増配 +0.5円 |
| 2021/3期 | 7.00円 | 据え置き |
| 2022/3期 | 8.50円 | 増配 +1.5円 |
| 2023/3期 | 11.00円 | 増配 +2.5円 |
| 2024/3期 | 12.00円 | 増配 +1円 |
| 2025/3期 | 24.00円 | 増配 +12円 |
| 2026/3期 | 26.00円 | 増配 +2円 |
| 2027/3期(予想) | 28.00円 | 増配 +2円(予想) |
2020/3期の「見かけの減配」にご注意ください。この期は発表された中間配当7円と期末配当3.5円を単純に足すと10.5円で、前期の13円より少なく見えます。 2019年10月の株式分割をまたぐため、中間と期末で基準の株数が違うことが原因です。分割調整後は6.5円から7円への増配です。 分割で減配に見える仕組みは株式分割の「見かけの減配」で解説しています。
利益が減った年に、配当が倍になった。配当性向の引き上げという中身
増配の中身は、1株利益と並べると分かります。2025/3期の倍増と、その後の増配は、原資が違います。
| 年度 | 1株利益(EPS) | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2024/3期 | 45.34円 | 12円 | 26.5% |
| 2025/3期 | 38.28円(−15.6%) | 24円(+100%) | 62.7% |
| 2026/3期 | 46.97円(+22.7%) | 26円 | 55.4% |
| 2027/3期(予想) | 47.46円(+1.0%) | 28円 | 59.2%(会社公表) |
2025/3期は、1株利益が15.6%減ったのに、配当は12円から24円へ倍になりました。 原資は利益の伸びではなく、利益のうち配当に回す割合を26.5%から62.7%へ引き上げたことです。 2026/3期は1株利益が22.7%増え、IRBANKに載る2010/3期以降で最高の46.97円になりました。 2027/3期は利益がほぼ横ばい(+1.0%)の予想で、配当は2円増える予想です。
会社のIRページには、中期経営計画の還元目標として次の3点が載っています。
- 2025/3期に、配当を12円から24円にする:達成しました。
- 2026/3期に、配当性向を60%以上にする:実績は55.4%で、目標に届いていません。2027/3期の予想59.2%も60%未満です。
- 最終年度までに、上限30億円の自己株式取得を含めて総還元性向70%以上にする:最終年度の年度名はIRページに書かれていません。
なお、2027/3期の配当性向は、IRBANKの予想1株利益47.46円で計算すると58.99%で、会社公表の59.2%とわずかに違います。ズレの理由は、確認した会社の資料からは分かりませんでした。 また、「減配しない約束」にあたる累進配当を掲げた記述も、確認した会社ページにはありません。
財務の安定性(1株利益と配当性向)
配当を払い続けられるかは、利益に対して配当がどれだけ重いかで判断します。
| 年度 | 1株利益(EPS) | 配当性向 | 1株配当 |
|---|---|---|---|
| 2018/3期 | 23.03円 | 26.0% | 6.00円 |
| 2019/3期 | 24.91円 | 26.1% | 6.50円 |
| 2020/3期 | 24.95円 | 28.1% | 7.00円 |
| 2021/3期 | 23.18円 | 30.2% | 7.00円 |
| 2022/3期 | 34.02円 | 25.0% | 8.50円 |
| 2023/3期 | 41.62円 | 26.4% | 11円 |
| 2024/3期 | 45.34円 | 26.5% | 12円 |
| 2025/3期 | 38.28円 | 62.7% | 24円 |
| 2026/3期 | 46.97円 | 55.4% | 26円 |
| 2027/3期(予想) | 47.46円 | 59.2%(会社公表) | 28円 |
2021/3期は1株利益が24.95円から23.18円へ減りましたが、配当は7円のまま据え置かれ、減配にはなっていません。 2025/3期の減益のときは、逆に配当を倍にしています。利益の増減よりも、会社の還元方針で配当が決まる会社です。
2026/3期の営業キャッシュフローは104億6,698万円、現金等は280億6,144万円です。 自己資本比率は2014/3期の72%から、2026/3期の58.8%へ下がりました。 会社のIRページは、自己資本や自己資本比率の水準を見直してROEを高めることを課題に挙げています。 下がっている数字ですが、目安の40%は上回っています。
株主優待が再導入されます(初回の基準日は2027年3月31日)
会社は2027/3期から株主優待を再導入します。毎年3月末に100株以上を持つ株主が対象で、初回の基準日は2027年3月31日です。 基準日の2営業日前の2027年3月29日(月)が、権利付き最終日になります。
- 通常の優待(毎年3月末):100株でQUOカード500円分、200株で1,000円分、300株で1,500円分、500株以上で2,000円分。複数の情報サイトで内容が一致していますが、会社の公式資料の全文は確認できていません。申込前に会社のIR資料で確かめてください。
- 記念優待(創業40周年):2026年9月末に100株以上でQUOカード3,000円分。基準日は過ぎているため、今から買っても対象外です。一度限りの優待で、2027年3月の優待には含まれません。
100株(69,500円)の場合、通常の優待500円分は購入代金の0.74%です。配当利回り4.03%に加えてもらえる上乗せですが、優待は会社の判断で内容が変わることがあります。 買う理由の中心は、配当と業績に置いてください。
買う前に確かめたい3つのこと
- 配当性向が目標の上限に近い:2027/3期の予想は59.2%で、当ブログの目安の上限60%、会社の目標60%以上に近い水準です。性向を引き上げる余地は小さくなったため、今後の増配は利益(1株利益)が伸びるかにかかっています。
- 株価は割安ではない:PBR1.78倍は目安の1.5倍を上回り、PER14.56倍も目安15倍の内側ぎりぎりです。利益が予想どおり出なければ、株価が動く余地があります。
- 自己資本比率が下がっている:72%(2014/3期)から58.8%(2026/3期)へ。目安の40%は上回りますが、会社は自己資本の水準見直しを課題としています。還元を強める方針が続くなら、この数字の推移も見ておきましょう。
🐨 コアラ先生のひとこと
この銘柄に注目した理由:
配当が「利益の伸び」ではなく「会社の方針」で決まる会社の実例だからです。
配当性向を26.5%から62.7%へ引き上げた2025/3期は、利益が減っていても配当が倍になりました。
増配のニュースを見たら、1株利益と配当性向を並べて、何が増やしたのかを確かめる。この習慣がつく例です。
初心者へのアドバイス:
100株で69,500円と、金額は買いやすい水準です。優待の再導入もあります。
ただし利回り4.03%は、配当性向が60%近い状態の上にあります。
配当をもらい続けたい人は、決算のたびに1株利益が伸びているかを見ることが、この会社と付き合う条件になります。
注意点:
配当性向の目標は方針であって、減配しない約束(累進配当)ではありません。
方針で上がった配当は、方針が変われば水準も変わります。
配当の水準が方針で決まる会社だと理解したうえで、検討してください。
よくある質問
2026年10月28日終値695円と、2027年3月期の会社予想配当28円で計算すると4.03%です。2026年3月期の実績配当26円で計算すると3.74%です。株価は毎日動くため、最新の利回りはYahoo!ファイナンスで確認してください。
2025年3月期に、配当を12円から24円へ引き上げたためです。この期は1株利益が45.34円から38.28円へ15.6%減っていて、利益の伸びではなく、配当性向を26.5%から62.7%へ引き上げたことが中身です。会社は中期経営計画で、2025年3月期に配当24円、2026年3月期に配当性向60%以上という還元目標を掲げています。
IRBANKの分割調整後の配当で見ると、2018年3月期以降の9期に減配はありません。2021年3月期は7円で前期と同じ据え置きです。2020年3月期は、発表された中間配当7円と期末配当3.5円を単純に足すと10.5円で前期の13円より少なく見えますが、2019年10月の1→2株式分割をまたぐためで、分割調整後は6.5円から7円への増配です。
会社は2027年3月期から株主優待を再導入します。毎年3月末に100株以上を持つ株主が対象で、初回の基準日は2027年3月31日です。100株の内容はQUOカード500円分と、複数の情報サイトに掲載されています。最終的な内容は会社の公式資料で確認してください。2026年9月末基準の記念優待(QUOカード3,000円分)は基準日が過ぎており、今から買っても対象外です。
配当金・業績データ(出典:IRBANK)
配当金:https://irbank.net/4290/dividend
財務データ:https://irbank.net/4290/results
配当方針・配当予想・優待・会社概要(出典:会社)
配当金・配当性向:https://www.prestigein.com/IR/stock/stock_dividends.html
株主メリット:https://www.prestigein.com/IR/individual/merit.html
会社概要:https://www.prestigein.com/company_profile/cp_profile.html
配当予想の基準日は2026年5月13日です。
株価・株式数データ
株価695円は2026年10月28日の終値、発行済株式数127,293,300株もYahoo!ファイナンスの値です。
Yahoo!ファイナンス:https://finance.yahoo.co.jp/quote/4290.T
配当利回りの計算方法
予想:28円 ÷ 695円 × 100 = 4.03%
実績:26円 ÷ 695円 × 100 = 3.74%
PER・PBR・時価総額の計算方法
PER:695円 ÷ 2027/3期予想1株利益47.46円 = 14.56倍
PBR:695円 ÷ 2026/3期の1株純資産387.72円 = 1.78倍
時価総額:695円 × 発行済株式数127,293,300株 = 863億円
株式分割の調整
2019年10月に1株→2株の分割。2019/3期以前の配当金はIRBANKの分割調整後の金額で統一しています。
株主優待の内容
再導入と初回基準日は会社のIRページ、通常優待の株数別の内容は優待情報サイト(株主優待ガイドほか)の掲載です。最終確認は会社の公式資料で行ってください。
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【免責事項】本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄・金融商品への投資を推奨するものではありません。 株価・配当・PER・PBRは2026年10月28日時点、その他の財務データは2026年3月期確定値と2027年3月期会社予想です(出典:IRBANK・会社のIRページ)。 株価・配当金・各種指標・株主優待は常に変動します。投資にはリスクが伴います。 投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。 当ブログは投資助言業者ではありません。
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