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愛知時計電機(証券コード:7723)は、ガスメーターや水道メーターをつくる会社です。 配当は2022年3月期の42.67円(株式分割を調整した金額)から、2026年3月期の113円へ。4年で2.65倍になりました。
さらに2027年3月期は、会社の予想で減益(1株利益が25.4%減)になる見込みなのに、配当は120円へ増やす予想です。 その結果、配当性向(利益のうち配当に回す割合)は36.2%から51.6%に上がります。 会社が2024年の中期経営計画で掲げた「配当性向40%」を超える水準です。
配当利回りは予想ベースで4.36%、2026年3月期の実績ベースで4.11%です。 この増配をどう受け止めればよいかを、10期分のデータで見ていきます。
基本情報
現在の株価・配当情報
100株買うには275,200円が必要です。年間の配当金は予想ベースで税引前12,000円、 NISA口座以外なら20.315%が引かれて手取りは9,562円になります。
スクリーニング指標
数値はIRBANK・会社の株主還元ページの値です(配当利回り・PER・PBRは2026年10月28日終値で計算)。
| 指標 | 愛知時計電機の数値 | 目安・コメント |
|---|---|---|
| 配当利回り (株価に対する配当金の割合) |
4.36%(2027/3期予想120円) 実績ベース 4.11%(2026/3期実績113円) |
目安3.5%以上 ✅ 上回る |
| 自己資本比率 (総資産に占める自己資本の割合) |
74.8%(2026/3期) | 40%以上 ✅ 10年で46.8%から上昇 |
| 有利子負債 (借入金など) |
7億円(2026/3期) | 低いほど良い ✅ 10年前は82億円 |
| PER (株価収益率・割安度の目安) |
12.40倍(2027/3期予想) | 15倍以下 ✅ |
| PBR (株価純資産倍率) |
0.84倍(2026/3期実績) | 1.5倍以下 ✅ 解散価値を下回る |
| 配当性向 (利益のうち配当に回す割合) |
51.6%(2027/3期予想) | 20〜60% ⚠️ 範囲内だが前期36.2%から急上昇 |
| ROE (自己資本利益率・経営効率) |
9.13%(2026/3期実績) | 8%以上 ✅ ただし2027/3期予想は7.0% |
| 連続増配年数 | 4期(2023〜2026/3期) | 2027/3期予想も増配 |
| 時価総額 (会社全体の値段) |
約438億円 | 500億円以上 ⚠️ やや下回る |
9つの指標のうち7つが目安を満たし、⚠️は配当性向と時価総額の2つです。 財務は堅く、借入金はほぼありません。 確認しておきたいのは、配当性向が1年で15ポイント上がる予想になっている点です。後半の章で取り上げます。
📊 上の指標は、どれをどの順番で見るかで判断が変わります。見方は高配当株を買う前に見る5つの数字にまとめています。
10期分のグラフ
過去10期の配当金推移(減配の年も載せます)
2022年2月1日に1株を3株に分割しています。それより前の金額は、今の株数に合わせて3で割った値です(IRBANK・会社の公表値)。
| 年度 | 1株あたり年間配当金 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2018/3期 | 40.00円 | 基準年 |
| 2019/3期 | 43.33円 | 増配 +3.33円 |
| 2020/3期 | 40.00円 | 減配 −3.33円 |
| 2021/3期 | 43.33円 | 増配 +3.33円 |
| 2022/3期 | 42.67円 | 減配 −0.66円 |
| 2023/3期 | 55円 | 増配 +12.33円 |
| 2024/3期 | 64円 | 増配 +9円 |
| 2025/3期 | 75円 | 増配 +11円 |
| 2026/3期 | 113円 | 増配 +38円 |
| 2027/3期(予想) | 120円 | 増配 +7円(予想) |
減益予想なのに増配する。配当性向51.6%の意味
2026/3期までの増配と、2027/3期予想の増配は、中身が違います。1株利益と並べると分かります。
| 年度 | 1株利益(EPS) | 1株配当 | 配当性向 |
|---|---|---|---|
| 2025/3期 | 229.82円 | 75円 | 32.6% |
| 2026/3期 | 312.12円(+35.8%) | 113円 | 36.2% |
| 2027/3期(予想) | 232.70円(−25.4%) | 120円 | 51.6% |
2026/3期は、1株利益が35.8%増えたのに合わせて配当も大きく増えました。利益に裏づけられた増配です。 ところが2027/3期は、1株利益が25.4%減る予想のなかで、配当をさらに7円増やす予想です。 増配の原資は利益の伸びではなく、利益のうち配当に回す割合を引き上げることになります。
会社の方針は「安定配当を継続しつつ、財務及び投資計画などを勘案した上で、業績に応じて株主還元を行う」です(株主還元ページ)。 2024年5月の中期経営計画2026では、計画期間(2025/3〜2027/3期)中に配当性向を40%まで引き上げる目標を掲げていました。 2027/3期の予想51.6%は、この目標を上回ります。 なお、配当性向やDOEの新しい目標値は、確認した会社の資料には書かれていませんでした。
配当性向51.6%は、当ブログの目安(20〜60%)の範囲内で、すぐに危ない水準ではありません。 ただし、減益が2年続いた場合に、同じ配当を保てるかは別の話です。 自己資本比率74.8%・有利子負債7億円という財務の厚さが、その余力になります。
財務の安定性(1株利益と配当性向)
配当を払い続けられるかは、利益に対して配当がどれだけ重いかで判断します。
| 年度 | 1株利益(EPS) | 配当性向 | 1株配当 |
|---|---|---|---|
| 2018/3期 | 181.54円 | 22.0% | 40.00円 |
| 2019/3期 | 184.13円 | 23.5% | 43.33円 |
| 2020/3期 | 152.88円 | 26.2% | 40.00円 |
| 2021/3期 | 194.60円 | 22.3% | 43.33円 |
| 2022/3期 | 181.43円 | 23.5% | 42.67円 |
| 2023/3期 | 225.35円 | 24.4% | 55円 |
| 2024/3期 | 206.91円 | 30.9% | 64円 |
| 2025/3期 | 229.82円 | 32.6% | 75円 |
| 2026/3期 | 312.12円 | 36.2% | 113円 |
| 2027/3期(予想) | 232.70円 | 51.6%(試算) | 120円 |
2020/3期は1株利益が184.13円から152.88円へ減り、配当も43.33円から40円へ減りました。 利益が落ちた年に配当を下げた実績がある会社です。
財務はこの10年で大きく強くなりました。自己資本比率は2016/3期の46.8%から2026/3期の74.8%へ、 有利子負債は82億円から7億円へ減っています。
買う前に確かめたい3つのこと
- 2027/3期の減益予想:純利益は48億円から35.7億円(−25.6%)へ減る会社予想です。決算のたびに、予想どおりかを確認してください。
- 配当性向の急上昇:36.2%から51.6%へ。中期経営計画の目標40%を超えます。翌期以降も増配が続くかは、利益が戻るかしだいです。
- 時価総額が小さい:約438億円で、当ブログの目安500億円を下回ります。売買の量が少なく、株価が大きく動きやすい点に注意してください。
🐨 コアラ先生のひとこと
この銘柄に注目した理由:
同じ「増配」でも、利益が伸びて増やす増配と、配当性向を上げて増やす増配がある。その違いが1社の中で続けて見られる銘柄だからです。
2026/3期は前者、2027/3期の予想は後者です。増配のニュースを見たら、1株利益と並べて確かめる。この習慣がつく例です。
初心者へのアドバイス:
100株で275,200円と、金額は大きめです。
財務の堅さとPBR0.84倍の割安さは魅力ですが、配当が業績に合わせて動く会社です。
配当をずっと同じ額でもらいたい人より、決算を見ながら付き合える人に向いています。
注意点:
過去10期で2回の減配があり、配当性向やDOEの目標値も確認できた資料にはありません。
「減配しない」という約束(累進配当)がある会社ではない、と理解したうえで検討してください。
よくある質問
2026年10月28日終値2,752円と、2027年3月期の会社予想配当120円で計算すると4.36%です。2026年3月期の実績配当113円で計算すると4.11%です。株価は毎日動くため、最新の利回りはYahoo!ファイナンスで確認してください。
会社は理由を個別に示していません。方針は「安定配当を継続しつつ、業績に応じて株主還元を行う」で、2024年の中期経営計画では計画期間中に配当性向を40%まで引き上げる目標を掲げていました。2027年3月期は1株利益が232.70円に減る予想のなか配当を120円に増やすため、配当性向は51.6%に上がります。
あります。2018年3月期以降の10期のうち、2020年3月期(43.33円→40円)と2022年3月期(43.33円→42.67円)の2回、小幅な減配がありました。金額は2022年2月の株式分割(1株→3株)を調整した値です。2023年3月期からは4期連続で増配しています。
2026年3月期の自己資本比率は74.8%、有利子負債は7億円で、借入金はほぼありません。自己資本比率は2016年3月期の46.8%から上がり、有利子負債は82億円から減りました。財務の厚さは、減益の年に配当を支える余力になります。
配当金・業績データ(出典:IRBANK)
配当金:https://irbank.net/7723/dividend
財務データ:https://irbank.net/7723/results
配当方針・配当予想(出典:会社)
株主還元ページ:https://www.aichitokei.co.jp/ir/kojin/shareholder_return/
中期経営計画2026(2024年5月10日):https://www.aichitokei.co.jp/ir/management/strategy/pdf/disclose_240510.pdf
株価データ
株価2,752円は2026年10月28日の終値です。
Yahoo!ファイナンス:https://finance.yahoo.co.jp/quote/7723.T
配当利回りの計算方法
予想:120円 ÷ 2,752円 × 100 = 4.36%
実績:113円 ÷ 2,752円 × 100 = 4.11%
PER・PBR・時価総額の計算方法
PER:2,752円 ÷ 2027/3期予想1株利益232.70円 = 12.40倍
PBR:2,752円 ÷ 2026/3期の1株純資産3,427.47円 = 0.84倍
時価総額:2,752円 × 発行済株式数15,341,653株 = 約438億円(株式数はYahoo!ファイナンスの値)
株式分割の調整
2022年2月1日に1株→3株の分割。2022/3期以前の配当金は3で割った金額で統一しています。
最新情報を確認する
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【免責事項】本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄・金融商品への投資を推奨するものではありません。 株価・配当・PER・PBRは2026年10月28日時点、その他の財務データは2026年3月期確定値と2027年3月期会社予想です(出典:IRBANK・会社の株主還元ページ)。 株価・配当金・各種指標は常に変動します。投資にはリスクが伴います。 投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。 当ブログは投資助言業者ではありません。
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