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村上開明堂(証券コード:7292)は、自動車のバックミラーをつくる会社です。 1958年にトヨタ自動車からバックミラーを受注して生産を始め、いまも売上の22.1%はトヨタ向けです。
配当は2022年3月期の55円から、2026年3月期の240円へ。4年で4.36倍になりました。 内訳は、1株利益が1.70倍、利益のうち配当に回す割合(配当性向)が17.8%から45.7%への2.57倍です。
2027年3月期は、会社予想で純利益が2.9%減る見込みです。配当は240円のまま据え置く予想で、配当性向は47.1%に上がります。 利回りは3.55%(予想・実績とも)。増配の中身と、買う前に確かめたい点を、10期分のデータで見ていきます。
基本情報
現在の株価・配当情報
100株買うには682,000円が必要です。年間の配当金は予想ベースで税引前24,000円、 NISA口座以外なら20.315%が引かれて手取りは19,124円になります。
スクリーニング指標
数値はIRBANK・会社の決算短信の値です(配当利回り・PER・PBR・時価総額は2026年10月28日終値で計算)。
| 指標 | 村上開明堂の数値 | 目安・コメント |
|---|---|---|
| 配当利回り (株価に対する配当金の割合) |
3.55%(2027/3期予想240円) 実績ベース 3.55%(2026/3期実績240円) |
目安3.5%以上 ✅ ただし余裕は小さい(株価が6,857円を超えると3.5%を下回ります) |
| 自己資本比率 (総資産に占める自己資本の割合) |
77.6%(2026/3期) | 40%以上 ✅ 大きく上回る |
| PER (株価収益率・割安度の目安) |
13.39倍(2027/3期予想) | 15倍以下 ✅ |
| PBR (株価純資産倍率) |
0.83倍(2026/3期実績) | 1.5倍以下 ✅ 解散価値を下回る |
| 配当性向 (利益のうち配当に回す割合) |
47.1%(2027/3期予想) | 20〜60% ✅ 範囲内(2022/3期は17.8%) |
| ROE (自己資本利益率・経営効率) |
6.41%(2026/3期実績) | 8%以上 ⚠️ 下回る(2027/3期予想は6.18%) |
| 連続増配年数 | 12期(2015〜2026/3期) | ✅ ただし2027/3期予想は据え置き |
| 時価総額 (会社全体の値段) |
820億円 | 500億円以上 ✅ |
8つの指標のうち7つが目安を満たし、⚠️はROEの1つです。 財務は厚く、PBRも1倍を下回っています。ただし利回りの余裕は小さく、ROEは目安に届いていません。 資本が厚い分、利益に対する効率が低い会社だと読めます。
📊 上の指標は、どれをどの順番で見るかで判断が変わります。見方は高配当株を買う前に見る5つの数字にまとめています。
10期分のグラフ
過去10期の配当金推移(減配の年も載せます)
株式分割・併合はありません。金額は発表された1株あたりの年間配当金です(IRBANK・会社の決算短信)。
| 年度 | 1株あたり年間配当金 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2018/3期 | 36円 | 基準年 |
| 2019/3期 | 44円 | 増配 +8円 |
| 2020/3期 | 48円 | 増配 +4円 |
| 2021/3期 | 50円 | 増配 +2円 |
| 2022/3期 | 55円 | 増配 +5円 |
| 2023/3期 | 84円 | 増配 +29円 |
| 2024/3期 | 160円 | 増配 +76円 |
| 2025/3期 | 210円 | 増配 +50円 |
| 2026/3期 | 240円 | 増配 +30円 |
| 2027/3期(予想) | 240円 | 据え置き(予想) |
配当4.36倍の中身:利益1.70倍×配当性向2.57倍
配当が4年で4倍以上になった理由は、2022/3期と2026/3期を並べると分かります。
| 項目 | 2022/3期 | 2026/3期 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 1株利益(EPS) | 309.11円 | 524.88円 | 1.70倍 |
| 配当性向(連結) | 17.8% | 45.7% | 2.57倍 |
| 1株配当 | 55円 | 240円 | 4.36倍 |
1.70倍 × 2.57倍 = 4.36倍です。利益が伸びた分より、利益のうち配当に回す割合を引き上げた分のほうが大きいことが分かります。 2027/3期は、会社予想で1株利益が509.28円(−3.0%)に減るため、配当を240円のまま保つと配当性向は47.1%に上がります。
会社は有価証券報告書で、安定的な配当の継続を基本に、経営環境・業績動向・配当性向などを総合的に勘案して決めると説明しています。 内部留保は、新規分野への展開、海外展開、設備投資、研究開発に回すとしています。 配当性向やDOEの数値目標は、確認した資料に書かれていません(決算短信の純資産配当率は2026/3期3.0%、2025/3期2.8%の実績値のみ)。 減配しない約束にあたる累進配当を掲げた記述もありません。
もう1つ、見ておきたい数字があります。有価証券報告書の提出会社(単体)の配当性向は70.3%です。 連結の純利益は60.8億円ですが、配当を払うのは親会社です。単体の当期純利益39.5億円に対して、2026/3期の配当総額は27.8億円になります。
財務の安定性(1株利益と配当性向)
配当を払い続けられるかは、利益に対して配当がどれだけ重いかで判断します。
| 年度 | 1株利益(EPS) | 配当性向(連結) | 1株配当 |
|---|---|---|---|
| 2018/3期 | 408.83円 | 8.8% | 36円 |
| 2019/3期 | 377.65円 | 11.6% | 44円 |
| 2020/3期 | 388.47円 | 12.4% | 48円 |
| 2021/3期 | 290.90円 | 17.2% | 50円 |
| 2022/3期 | 309.11円 | 17.8% | 55円 |
| 2023/3期 | 437.68円 | 19.2% | 84円 |
| 2024/3期 | 493.70円 | 32.4% | 160円 |
| 2025/3期 | 513.60円 | 40.9% | 210円 |
| 2026/3期 | 524.88円 | 45.7% | 240円 |
| 2027/3期(予想) | 509.28円 | 47.1% | 240円 |
2021/3期は1株利益が388.47円から290.90円へ25.1%減りましたが、配当は48円から50円へ増えました。 配当性向が8%台〜17%台と低い時期に、利益の波に左右されにくい余裕があったためです。 今の配当性向は45.7%なので、同じことは起きにくくなっています。
財務は厚い会社です。自己資本比率は2010/3期の53.9%から2026/3期の77.6%へ上がりました。 連結の現預金は465億円(2026/3期末、連結貸借対照表)で、時価総額820億円の半分を超えます。 一方で、自己資本が厚い分ROEは6.41%にとどまり、2010/3期の9.59%を下回っています。
買う前に確かめたい3つのこと
- 2027/3期は減益予想で、配当は据え置き:営業利益は91.6億円から87億円へ5.0%減、純利益は60.8億円から59億円へ2.9%減る予想です。12期続いた増配は止まる見込みなので、決算のたびに予想どおりかを確認してください。
- 日本の利益低下とトヨタ依存:日本の営業利益は38.2%減りました。売上の22.1%がトヨタ向けで、自動車の生産の動きに業績が左右されます。北米は営業利益が1,454百万円から1,935百万円へ33.1%増えていますが、利益率は6.2%です。
- 100株で67.7万円と、買いやすい金額ではない:会社は2026年6月に、投資単位の引下げを引き続き慎重に検討すると開示しています。株式分割の予定は確認できませんでした。また利回り3.55%は目安3.5%に近く、株価が6,857円を超えると目安を下回ります。
🐨 コアラ先生のひとこと
この銘柄に注目した理由:
配当が4.36倍になった理由を、「利益が増えた分」と「配当に回す割合が増えた分」に分けられる銘柄だからです。
答えは1.70倍と2.57倍でした。増配のニュースを見たら、利益が増えたのか、割合が増えたのかを分けて確かめる。この習慣がつく例です。
初心者へのアドバイス:
自己資本比率77.6%、PBR0.83倍、現預金は時価総額の半分超と、財務は厚い会社です。
ただし100株で67.7万円、利回りは目安ぎりぎり、2027/3期の配当は据え置き予想です。
増配の勢いで買うのではなく、据え置きでも納得できる価格かで決めるほうが合う銘柄です。
注意点:
配当性向の数値目標も累進配当もありません。単体の配当性向は70.3%で、利益が減る年は配当の余裕が小さくなります。
自動車メーカー(特にトヨタ)の生産と、日本の利益の動きを、決算のたびに確認してください。
よくある質問
2026年10月28日終値6,770円と、2027年3月期の会社予想配当240円で計算すると3.55%です。2026年3月期の実績配当も240円なので、実績ベースも3.55%です。株価は毎日動くため、最新の利回りはYahoo!ファイナンスで確認してください。
2022年3月期の55円から2026年3月期の240円へ4.36倍になりました。内訳は、1株利益が309.11円から524.88円へ1.70倍、配当性向(連結)が17.8%から45.7%へ2.57倍です。会社は配当方針に数値目標を示しておらず、安定的な配当の継続を基本に、業績動向や配当性向などを総合的に勘案して決めるとしています。
IRBANKの配当実績で見ると、2010年3月期から2026年3月期の17期に、前期より減った年はありません。2012年3月期と2014年3月期は前期と同額の据え置きです。2015年3月期から2026年3月期まで12期連続で増配しています。2027年3月期の会社予想は、2026年3月期と同じ240円の据え置きです。
確認した会社の資料(有価証券報告書・決算短信・IRページ)に、株主優待の記載はありませんでした。最新の情報は会社のIRページで確認してください。
配当金・業績データ(出典:IRBANK)
配当金:https://irbank.net/7292/dividend
財務データ:https://irbank.net/7292/results
配当方針・配当性向・事業の内容(出典:会社)
有価証券報告書(2026年6月23日提出・配当政策、提出会社の経営指標、主要な顧客):https://www.murakami-kaimeido.co.jp/ir/library/securities/
決算短信(2026年5月13日・配当性向と純資産配当率):https://www.murakami-kaimeido.co.jp/ir/library/earning/
業績サマリー(地域別損益・連結貸借対照表):https://www.murakami-kaimeido.co.jp/ir/summary/
投資単位の引下げに関する考え方(2026年6月30日):https://www.murakami-kaimeido.co.jp/news/ir/2026/00414/
株価・株式数データ
株価6,770円は2026年10月28日の終値、発行済株式数12,100,000株もYahoo!ファイナンスの値です。
Yahoo!ファイナンス:https://finance.yahoo.co.jp/quote/7292.T
配当利回りの計算方法
予想:240円 ÷ 6,770円 × 100 = 3.55%
実績:240円 ÷ 6,770円 × 100 = 3.55%
PER・PBR・時価総額の計算方法
PER:6,770円 ÷ 2027/3期予想1株利益509.28円 = 13.39倍
PBR:6,770円 ÷ 2026/3期の1株純資産8,187.53円 = 0.83倍(Yahoo!ファイナンスは直近の1株純資産で0.82倍と表示)
時価総額:6,770円 × 発行済株式数12,100,000株 = 820億円
配当4.36倍の分解
配当:240円 ÷ 55円 = 4.36倍 1株利益:524.88円 ÷ 309.11円 = 1.70倍 配当性向:45.7% ÷ 17.8% = 2.57倍
単体の配当性向:配当総額27.8億円 ÷ 単体当期純利益39.5億円 = 70.3%
株式分割
株式分割・併合は、IRBANK・Yahoo!ファイナンスの記載と株価履歴で確認できませんでした。配当は発表された金額のままです。
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【免責事項】本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄・金融商品への投資を推奨するものではありません。 株価・配当・PER・PBRは2026年10月28日時点、その他の財務データは2026年3月期確定値と2027年3月期会社予想です(出典:IRBANK・会社の決算短信と有価証券報告書)。 株価・配当金・各種指標は常に変動します。投資にはリスクが伴います。 投資の最終判断はご自身の責任で行ってください。 当ブログは投資助言業者ではありません。
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