9月末の権利で、配当はいくら入るのか|3社に1社は9月末が
権利確定日ではありません

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9月28日の権利付最終日まで株を持っていれば、配当を受け取る権利が確定します。 では、いくら入るのでしょうか。利回り4%の株を100株持っていれば、4%分がまるごと入る——そう考えていると、金額を見て拍子抜けします。

当ブログで記事にした高配当株60銘柄を調べました。わかったのは2つです。

ひとつ、9月末の権利で受け取れるのは年間配当の約半分(中央値49.3%)。 ふたつ、9月末が権利確定日ではない会社が19社ありました。60社中の19社、およそ3社に1社です。
無配という意味ではありません。権利確定日が別の月にある、ということです。

📌 この記事でわかること
  • 9月末の権利で入るのは年間配当の約半分だという実測値
  • 3社に1社は、そもそも9月末が権利確定日ではない(無配という意味ではない)
  • 利回り4%・100株で、実際に手取りいくらになるかの計算
  • NISAかどうかで変わる金額
  • いつ振り込まれるか、正確な日の調べ方

1. 9月末の権利で入るのは、年間配当の約半分

3月決算の会社にとって、9月末は中間配当の権利確定日です。1年の折り返し地点で出す配当なので、年間配当の全額ではありません。

では何割なのか。2025年9月に中間、2026年3月に期末の配当落ちが揃っていた41銘柄で、年間配当に占める中間配当の割合を計算しました。

年間配当に占める中間配当の割合
中央値49.3%

ほぼ半分です。「利回り4%だから9月末で4%分」ではなく、その半分の2%分が目安になります。

中間と期末が同額とは限らない

41銘柄の内訳を見ると、半分ずつきれいに分ける会社ばかりではありませんでした。

中間配当と期末配当の関係社数(41社中)割合
期末のほうが多い22社53.7%
中間と期末が同額18社43.9%
中間のほうが多い1社2.4%

もっとも多いのは「期末のほうが多い」で、半数を超えます。つまり9月末の中間配当は、半分より少なくなるほうが普通ということです。

差が大きい例を挙げます。未来工業(7931)は中間50円に対して期末95円。 年間145円のうち、9月末の権利でもらえるのは34.5%にとどまります。半分だと思っていると、金額は3分の1です。

銘柄中間(9月末)期末(3月末)
未来工業(7931)50円95円
アイホン(6718)50円80円
全国保証(7164)45円75円

逆に中間のほうが多い会社は、41社のうち1社だけでした。ステップ(9795)の中間45円・期末44円で、その差は1円です。 中間配当が期末を上回ることは、ほとんどありません。中間配当の額から年間配当を推測しないでください。

⚠️ 株式分割をまたぐ会社は、配当の数字が歪みます

日本製鉄(5401)は2025年10月に1株を5株に分割しました。この期の中間配当60円は分割前の株数での金額です。 分割後の株数に直すと12円で、期末の12円と同額になります。60円と12円を並べると「期末で大きく減らした」ように見えますが、そうではありません。 分割をまたいだ期の配当は、株数の基準をそろえてから比べてください。

2. 3社に1社は、9月末が権利確定日ではない

ここがいちばん誤解されやすいところです。9月末はすべての会社の権利確定日ではありません。

60銘柄のうち、2025年9月から10月に配当落ちがあったのは41社でした。残りの19社には、この時期の配当がありません。

9月末〜10月頭に配当の権利確定があったか社数(60社中)割合
あった41社68.3%
なかった(権利確定日が別の月)19社31.7%

理由は2つあります。

理由1:決算月が3月ではない

9月末が中間配当の権利確定日になるのは、3月決算の会社です。2月決算や12月決算の会社は、権利確定日が別の月にあります。 高配当株として有名な会社でも、決算月はばらばらです。

理由2:配当が年1回しかない

60銘柄のうち4社は、直近1年の配当落ちが年1回だけでした。 ハードオフコーポレーション(2674)理想科学工業(6413)グランディハウス(8999)クレオ(9698)の4社です。

年1回配当の会社は、その1回を逃すと次の権利確定は1年後です。逆に言えば、年2回の会社より1回あたりの金額は大きくなります

⚠️ 「9月末までに買わなきゃ」の前に確認すること

買おうとしている会社の権利確定日が、本当に9月末かどうかを確かめてください。 3社に1社は9月末ではありません。急いで買っても、その9月末では権利が確定しないという結果になり得ます。

確認方法は、証券会社の銘柄ページにある「権利確定月」の表示か、会社のIRページです。 そもそも急いで買う必要がない話は、配当落ちで下がった株価はいつ戻るのかに実測データでまとめています。

3. 利回り4%・100株で、手取りはいくらか

具体的な金額にします。株価1,500円、配当利回り4%の株を100株持っている場合です。

計算金額
1株あたりの年間配当(1,500円 × 4%)60円
100株の年間配当6,000円
うち中間配当(年間の49.3%)2,958円
税金 20.315%−601円
課税口座での手取り約2,357円
NISA口座での手取り2,958円

利回り4%と聞いたときの印象より、ずっと小さい数字です。 年間6,000円のつもりが、9月末の権利で入るのは2,958円。そこから税金が引かれて約2,357円です。

これは失望させるために書いているのではありません。逆です。この金額を正しく見積もれていれば、9月末に慌てる理由がなくなります。 2,357円のために、戻るまで中央値24営業日かかる株を高値で買う判断にはならないはずです。

NISAなら601円の差が出る

同じ2,958円でも、NISA口座なら税金が引かれません。この例では601円の差です。

ただしNISA口座に入れているだけでは非課税になりません。配当の受取方法を「株式数比例配分方式」に設定しておく必要があります。 設定していないと、NISA口座なのに20.315%が引かれます。手順は株式数比例配分方式のデメリットは3つにまとめています。

これは権利付最終日までに済ませておく作業です。9月28日を過ぎてから設定しても、今回の配当には間に合いません。

4. いつ振り込まれるのか

正直に書きます。正確な日は会社ごとに違い、一律の答えはありません。

目安は権利確定日から2か月前後ですが、これは目安でしかありません。確実なのは、各社が開示している数字を見ることです。

📌 支払開始日の調べ方
  • 会社のIRページにある「配当に関するお知らせ」または決算短信を開く
  • 「配当金支払開始日」という項目を探す。ここに日付が明記されている
  • 証券会社の銘柄ページでも、配当情報の欄に表示されることがある

待っている間にできることは特にありません。何もしなくても、設定した受取方法に従って入金されます。

受取方法によって入り方が違う

受取方法どこに入るか
株式数比例配分方式証券口座に自動で入金される。NISAの非課税はこの方式のみ
登録配当金受領口座方式指定した銀行口座に入金される
配当金領収証方式郵便で配当金領収証が届き、郵便局などで現金化する

初めて配当を受け取ったときの実感は、初めて配当金が振り込まれた日に書いています。 10銘柄で25,000円、1銘柄あたり2,500円という現実の話です。

5. 届いた書類は、1か所だけ見てください

配当が支払われると、証券会社から配当金計算書(支払通知書)が届きます。紙か電子交付かは設定によります。

全部を読む必要はありません。見るべきは税額の欄です。

⚠️ NISA口座なのに税額が書かれていたら設定ミス

NISA口座で保有しているのに所得税・住民税が引かれていたら、受取方法が株式数比例配分方式になっていません。 その回の配当は戻ってきませんが、設定を直せば次回から非課税になります。

気づかないまま何年も課税され続けるのが、いちばんもったいないパターンです。最初の1回が届いたときに必ず確認してください。

6. まとめ

📌 9月末の権利で押さえること
  • 入るのは年間配当の約半分(41銘柄の中央値49.3%)
  • 期末のほうが多い会社が53.7%。半分より少なくなるほうが普通
  • 60銘柄中19社、3社に1社は9月末が権利確定日ではない(無配ではない)
  • 利回り4%・100株なら手取り約2,357円(NISAなら約2,958円)
  • 受取方法の設定は権利付最終日までに済ませる
  • 支払開始日は各社の開示で確認する

金額を正しく見積もることは、精神論ではありません。期待値がわかっていれば、慌てなくて済むという実務の話です。

9月28日に向けて確認することは、前回の記事の最後にまとめてあります。 3つの日付の関係は2026年の権利付最終日カレンダーをご覧ください。

※本記事の集計は2026年9月12日時点のYahoo!ファイナンスの配当履歴に基づきます。対象は当ブログで個別記事を掲載した60銘柄。 中間・期末の比較は、2025年9月から10月と2026年3月から4月の配当落ちが両方そろっていた41銘柄で行いました。 税率20.315%は所得税15%・復興特別所得税0.315%・住民税5%の合計です。

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。 当ブログは投資助言業者ではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。 配当は将来にわたって保証されるものではなく、減配・無配となる可能性があります。