公務員の「年金払い退職給付」とは?掛金・受け取り方・iDeCoとの関係を整理

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年金払い退職給付は、共済年金の職域部分がなくなった2015年10月に、代わりに始まった公務員の年金です。 公的年金の「3階部分」にあたります。

この記事は、地方公務員共済組合連合会(地共連)の公式ページに書かれていることだけで、仕組みを整理します。 国家公務員共済にも同じ名称の制度(退職等年金給付)がありますが、国家公務員共済組合連合会のページは今回、原文を確認できませんでした。国家公務員の方は、所属の共済組合で確認してください。

📌 この記事でわかること
  • 年金払い退職給付が、年金のどこに位置するか
  • 掛金は何に対して何%か(計算例つき)
  • 終身と有期の受け取り方、65歳からの受給、在職中の扱い
  • iDeCoの上限が「月5.4万円」になる理由

年金払い退職給付は、3階建ての「3階」です

公務員の老後の年金は、次の3つで構成されます。

階名前内容
1階老齢基礎年金国民共通の年金
2階老齢厚生年金給与と加入期間で決まる。2015年9月以前の共済期間分もここに含まれる
3階年金払い退職給付2015年10月から。共済年金の職域部分が廃止された後の新しい年金

地共連の公式ページでは、これを「地方公務員の退職給付の一部として設けられる」制度と説明しています。給付は退職年金・公務障害年金・公務遺族年金の3種類です。

年金額を見積もる「年金+配当金」の早見表は、年金+配当金でいくら?公務員のための老後キャッシュフロー早見表にまとめています。

仕組み:自分専用の口座にお金が積み上がります

旧制度の職域部分は、現役世代の保険料で今の年金をまかなう「賦課方式」でした。 年金払い退職給付は、積み立てて将来の給付に備える「積立方式」です。

地共連の説明では、仕組みは次のとおりです。

  1. 組合員1人ひとりに、仮想の個人勘定をつくる
  2. 毎月の標準報酬月額と標準期末手当等に「付与率」をかけた額(付与額)を、利子とともに積み立てる
  3. 退職時までに積み立てた額が「給付算定基礎額」になる
  4. 65歳から、この額を年金として受け取る

付与率・基準利率(利子の率)・年金現価率は、地共連の定款で決まります。数字は年度ごとに公表されるので、最新の表は地共連のサイトで確認してください。 この記事では、公式ページで原文を確認できなかった数字は載せていません。

掛金:本人は0.75%、同額を事業主が負担します

地共連の定款(第20条)では、掛金率が0.75%、負担金率も0.75%です。 率の対象は標準報酬月額と標準期末手当等で、労使折半になります。

本人の掛金を計算してみます。標準報酬月額が30万円、標準期末手当等が年120万円の場合です(計算例)。

項目計算本人の掛金
毎月の分30万円 × 0.75%2,250円(年27,000円)
期末手当等の分120万円 × 0.75%年9,000円
合計年36,000円(月換算で3,000円)

受け取り方:半分は一生涯、半分は有期です

積み立てた額の半分は終身年金、半分は有期年金として支給されます(地共連「退職年金」のページ)。

項目内容
受給開始65歳。60歳から繰上げ、70歳まで繰下げができる
終身年金積立額の半分。一生涯
有期年金残りの半分。原則20年(240月)。10年(120月)や一時金も選べる
受け取る条件1年以上の組合員期間があること
在職中全額が支給停止
本人が亡くなったとき終身年金は終了。有期年金の残りは、遺族に一時金で支給
支給月2・4・6・8・10・12月(それぞれ前月までの分)

ライフプランで見落としやすいのは「在職中は全額停止」です。 定年延長や再任用で働いている間は、年金払い退職給付は受け取れません。 65歳以降も働く場合の厚生年金の扱いは、在職老齢年金の基準65万円の記事で整理しています。

公務障害年金・公務遺族年金:対象は「公務」の傷病だけです

年金払い退職給付には、退職年金のほかに2つの給付があります。

  • 公務障害年金:公務による病気やけがで、障害等級1級から3級の状態になったとき。初診日が2015年10月1日以降のものが対象
  • 公務遺族年金:組合員が公務による傷病で亡くなったときなど。遺族の範囲と要件は遺族厚生年金と同じ

⚠️通勤災害は、どちらも対象外です。公務外の傷病が原因の場合も、障害年金や遺族年金は支給されません。 生活費の保障は、公的年金の障害年金・遺族年金と、民間の保険で別に備える必要があります。

iDeCoの上限が「月5.4万円」になる理由

2026年12月から、企業年金等に入っている人のiDeCoの上限は月6.2万円(他の制度の掛金との合算)になります。 公務員は、年金払い退職給付の掛金相当額として月8,000円が差し引かれ、6.2万円 − 8,000円 = 月5.4万円です。

現在の上限は月2万円なので、約2.7倍になります。詳しくは公務員はiDeCoとNISA、どっちが先?にまとめました。

⚠️この記事で確認できていないこと
①付与率・基準利率の最新の数字(地共連の表は別PDFで、今回は原文を読めませんでした)
②国家公務員共済(国共連)での取り扱いの違い
③受け取るときの税金の扱い(年金として受け取る場合と一時金の場合)
ご自身の見込額や税金は、所属の共済組合に確認してください。

まとめ:3階部分は「在職中は止まる」ことを先に知っておく

  1. 年金払い退職給付は、2015年10月に職域部分に代わって始まった3階部分
  2. 掛金は標準報酬月額・標準期末手当等の0.75%(本人)。事業主が同額を負担
  3. 65歳から受給。半分は終身、半分は有期(原則20年)
  4. 在職中は全額停止。定年延長・再任用の間は受け取れない
  5. iDeCoの上限は、この制度の掛金相当額8,000円を引いて月5.4万円

まず、所属の共済組合で「自分の見込額」を確認してください。見込額が分かると、老後の月収の早見表に数字を当てはめられます。

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【免責事項】本記事は情報提供のみを目的としており、特定の銘柄・金融商品への投資を推奨するものではありません。年金払い退職給付の内容は、2026年11月時点で地方公務員共済組合連合会の公式ページに掲載されていた内容にもとづきます。掛金率・付与率・基準利率は改定されることがあり、国家公務員共済など他の共済組合では取り扱いが異なる場合があります。計算例の金額は説明のための仮定であり、実際の掛金・年金額は個人ごとに異なります。見込額や税金の取り扱いは、所属の共済組合・税務署にご確認ください。

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