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高配当株の配当は年2回。そう思って買った株が、12月になっても何も振り込まれないことがあります。 間違いでも減配でもありません。もともと年1回しか出さない会社だった、という話です。
当ブログで解説している高配当株60銘柄を調べたところ、4社(6.7%)が期末配当のみでした。 しかも4社とも、2019年から2026年まで8年間ずっと年1回です。最近やめたのではなく、これがその会社の形です。
まず結論:あなたはどれに当てはまるか
| こういう人 | 判定 | なぜ |
|---|---|---|
| 配当が年2回入る前提で計画している | 確認が要ります | 60社中4社は年1回。受取月も6月だけです |
| 配当を生活費の補填に使いたい | 向きません | 12か月に一度しか入りません |
| 利回りを重視している | 避ける理由はありません | 4社平均4.47%。年2回の会社より高い結果でした |
| 減配のサインを早く知りたい | 不利です | 業績の答え合わせが年1回しかできません |
年1回であること自体は、悪いことではありません。問題は知らずに買うことです。 ここまでで判断がついた方は、読み終えていただいて構いません。以降は「では何が変わるのか」を知りたい方向けです。
1. 配当が年1回だった4社
60銘柄のうち、中間配当を出していない4社です。いずれも3月決算で、配当が届くのは6月の一度だけになります。
| 銘柄 | 事業 | 年間配当 | 株価 | 配当利回り |
|---|---|---|---|---|
| グランディハウス(8999) | 北関東の戸建分譲 | 32円 | 569円 | 5.62% |
| 理想科学工業(6413) | 印刷機(リソグラフ) | 50円 | 1,063円 | 4.70% |
| クレオ(9698) | 業務システム開発 | 55円 | 1,276円 | 4.31% |
| ハードオフコーポレーション(2674) | リサイクルショップ | 85円 | 2,607円 | 3.26% |
※株価は2026年9月25日終値。年間配当は直近1年に権利確定した実績です。中間配当の有無はIRBANKの配当実績で4社とも個別に確認しました。
利回りの幅は3.26%〜5.62%。60銘柄のなかで特別に低いわけでも、極端に高いわけでもありません。 年1回だからといって、利回りで損をしているわけではないということです。
2. 8年間ずっと年1回|最近やめたのではありません
ここが大切なところです。中間配当を「最近やめた」のであれば、業績悪化のサインを疑う必要があります。 4社の配当実績を2019年までさかのぼりました。
| 銘柄 | 2019年3月期 | 2026年3月期 | 8年間の変化 |
|---|---|---|---|
| ハードオフコーポレーション | 40円 | 85円 | +112.5% |
| クレオ | 25円 | 55円 | +120.0% |
| グランディハウス | 18円 | 32円 | +77.8% |
| 理想科学工業 | 30円 | 50円 | +66.7% |
※理想科学工業は2025年1月1日に1株を2株へ分割しているため、分割後の株数に換算した金額です(2019年3月期の発表額は60円)。他の3社に分割はありません。
8年のあいだ一度も中間配当を出していません。そして4社とも配当額は増えています。 これは業績が悪くて中間配当を出せないのではなく、年1回でまとめて払うという方針だと読めます。
3. 利回りは、年2回の会社より高い
回数が少ないぶん利回りも低いのか。60銘柄を分けて比べました。
| グループ | 銘柄数 | 平均利回り | 中央値 |
|---|---|---|---|
| 配当が年1回 | 4社 | 4.47% | 4.51% |
| 配当が年2回 | 53社 | 3.95% | 3.92% |
※2026年9月25日終値で計算。直近1年に株式分割を行った3銘柄(日本製鉄・SPK・沖縄セルラー電話)は、分割の権利落ちと配当の権利落ちが同日で1株あたり配当の基準をそろえられないため、この比較から除いています。
年1回の4社のほうが0.52ポイント高い結果でした。ただし4社しかないので、この差を一般則として扱うことはできません。 言えるのは「年1回だから利回りが低い」という関係は無いということだけです。
グランディハウスの5.62%が平均を押し上げています。この1社を除くと4.09%まで下がり、年2回の会社とほぼ並びます。 「年1回の株は利回りが高い」と読み替えないでください。
4. 本当の弱点は「答え合わせが年1回しかない」こと
年1回配当の弱点は、受け取る回数ではありません。会社の判断を知る機会が半分になることです。
年2回配当の会社なら、業績が悪化したとき中間配当の時点で減配が表に出ます。 株主は9月末の時点で異変に気づけます。年1回の会社では、その機会がありません。 1年ぶんの答えが、期末に一度だけ出ます。
実例があります。理想科学工業の配当です。
| 決算期 | 1株配当(分割後換算) | 前期比 |
|---|---|---|
| 2019年3月期 | 30円 | — |
| 2020年3月期 | 7.5円 | -75.0% |
| 2021年3月期 | 20円 | +166.7% |
| 2022年3月期 | 50円 | +150.0% |
| 2026年3月期 | 50円 | — |
※出典はIRBANKの配当実績。2025年1月1日の1株→2株の分割を反映し、分割後の株数に換算しています(2020年3月期の発表額は15円)。2022年3月期には創業75周年の記念配当が含まれます。
配当が4分の1になりました。年2回の会社であれば中間配当の減額として先に現れたはずの変化が、 年1回の会社では期末の一度で、まとめて届きます。
なお理想科学工業はその後回復し、現在は50円です。減配は必ずしも終わりではありません。 減配した会社がその後どうなったかは減配した会社を3年後まで持ち続けたらどうなったかで60銘柄を実測しています。
配当の権利が確定すると、その翌日に株価は配当のぶんだけ下がりやすくなります(配当落ち)。 年1回の会社は1年ぶんの配当が一度に落ちるので、3月末の下げ幅が年2回の会社より大きく見えます。 下がった株価がいつ戻るかは配当落ちで下がった株価は、いつ戻るのかで344回ぶん実測しました。
5. 年2回でも、半分ずつとは限りません
ここまで「年1回か年2回か」で見てきましたが、年2回の中身も均等ではありません。 年2回配当の53社について、中間配当と期末配当の額を比べました。
| 配分 | 社数 | 割合 |
|---|---|---|
| 中間と期末が同額 | 24社 | 45% |
| 期末のほうが多い | 28社 | 53% |
| 中間のほうが多い | 1社 | 2% |
※同じ決算期の中間配当と期末配当を比較しています(直近に完了した決算期)。「直近1年」で切ると、12月決算などでは前期の期末と今期の中間を比べることになり、決算期をまたいだ増配が「中間のほうが多い」に見えてしまうためです。割合は四捨五入しています。
きれいに半分ずつなのは半数以下です。期末に寄せる会社が多いのは、 1年の業績を見てから最終的な配当額を決められるからです。 未来工業(7931)は中間50円に対して期末95円、 アイホン(6718)は中間50円に対して期末80円でした。
つまり「年間配当の半分が12月に入る」と考えると、実際より多く見積もることになります。 9月末の権利で実際にいくら入るのかは9月末の権利で、配当はいくら入るのかにまとめています。
6. まとめ
- 配当が年1回の会社は4社(6.7%)。いずれも3月決算で、届くのは6月だけ
- 4社とも8年間ずっと年1回。最近やめたのではなく方針
- 利回りは平均4.47%で、年2回の53社(3.95%)より高い。ただし4社では結論にならない
- 弱点は回数ではなく業績の答え合わせが年1回しかないこと
- 理想科学工業は2020年3月期に-75.0%の減配。その後は50円まで回復
- 年2回でも半分ずつは45%だけ。期末に寄せる会社が53%と過半数
年1回であることは、買わない理由にはなりません。実際、4社とも8年間で配当を増やしています。 ただし受け取る計画と、異変に気づく速さは変わります。買う前に配当回数を見ておけば、それで足ります。
今日できることは1つです。証券口座の保有一覧を開いて、各銘柄の配当回数を確認してください。 確認の場所は決算短信の1ページ目です。「配当の状況」の表で第2四半期末の欄が「-」になっていれば年1回です。
配当がどの月に届くのかは配当金が入る月はいつ?で60銘柄・年116回を実測しています。
※本記事の集計対象は、当ブログが記事にしている高配当株60銘柄です。配当回数と金額は2026年9月26日までの1年間に権利落ちした実績にもとづき、 4社の中間配当の有無と過去の配当額はIRBANKの配当実績で個別に確認しました。株価は2026年9月25日終値です。 利回りの比較からは、直近1年に株式分割を行った3銘柄を除いています。株価・配当・配当方針はいずれも変更されることがあります。
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当ブログで解説している銘柄のうち、配当利回り5%以上のものを毎週まとめてお届けします。株価は金曜終値、配当は実際に支払われた実績ベース。計算の前提もすべて明記しているので、ご自身で確かめられます。
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特定の銘柄の購入を勧めるものではありません。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の購入・売却を推奨するものではありません。 当ブログは投資助言業者ではありません。株価および配当は変動します。 投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。
